コーヒーを扱う輸入企業は「高値はしばらく続く」と予想
規模や業種を問わず、各所に多大な影響を与えているコーヒー豆の高騰。それにしても、いったいなぜここまで跳ね上がっているのか。「コーヒー流通センター」を運営する株式会社セイコー珈琲に話を聞いた。
同社は、コーヒー生豆の輸入販売や委託焙煎加工を手掛け、全国の喫茶店や自家焙煎珈琲店をはじめ、ホテル、レストラン、百貨店、スーパーなど幅広い取引先を持つ。
商圏は日本国内のみならず、アジア、ヨーロッパ、中東にもわたり、社内にはブラジルコーヒーの公認品質鑑定士も在籍するという、まさにコーヒーのプロフェッショナル集団だ。
「昨年、ブラジルのコーヒー生産量が減少し、需給バランスが崩れ、消費量に対して生産量が不足すると言われ始めました。その後、10月になってブラジルで雨が降らず、干ばつの影響で2025年の生産量が前年よりもさらに減少するとの予測が複数の調査機関から報じられ、コーヒー相場が急騰する事態となりました」(株式会社セイコー珈琲)
気になる今後の見通しについて、同社は「世界的な異常気象の影響でコーヒーの生産量減少が続く中、コーヒー相場の高値は当面続くと見られている」と見解を示す。
また、解決策については「問題の解消には、来年以降、コーヒー生産大国であるブラジルやベトナムの生産量増加が待たれる状況です」と説明した。
日本は、2024年7月に発表されたICO〈国際コーヒー機関〉統計による国別の消費量(2023年)をみると、1位アメリカ、2位ブラジル、3位ドイツに次いで4位で、コーヒーの一大消費国となっているが、このまま現在の価格高騰が続くようであれば、気軽にコーヒーを飲める機会はなくなっていくかもしれない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班