「アニメイト移転後10年間で通りのにぎわいが大きく変わった」
地元からは、アニメイトが「世界的に認知されている」という話があったという。
「アニメイトは世界中のアニメファンに認知されており、『アニメイトといえば東池袋』という認識が一部ではあるようです。海外からの渡航者がアニメイトを目当てに池袋を訪れるという実態もありました。“地域の顔”として認知されているわけです。
そういった理由で、『アニメイトはいち企業の枠を超えている』という声が地元からありました。地元の方からいただいた要望書を見た限りにおいては、区としても納得、同意できるような内容だと判断しました」
区の担当者によれば、アニメイトが現在の所在地に移転したのは今から約10年前。それ以降、通りのにぎわいが大きく変わったという。
「もともと『アニメイト』はサンシャインシティの隣で営業されていて、現在の所在地に引っ越してきたのが2012年でした。それから10年以上たち、通り沿いにカフェやコスプレ専門店など、アニメ関連のお店がものすごくたくさんできたんです。
もともとお店なんて1軒くらいしかなかったのが、この10年で道沿いのにぎわいが大きく変わりました。そういう意味で言うと、いち民間企業の営業というよりも、『地域のにぎわいを創出した』という公的な成果もあったわけです。今回の命名は、そういう点も勘案しました」
2024年に行なわれた「池袋ハロウィンコスプレフェス」にもアニメイトは参画しており、10月末に開催された3日間のイベントには約16万人が来場した。まさに地域の活性化に大きく貢献している形だが、一方で今回の命名には前出の店主をはじめSNSでも否定的な声も出ている。命名に至る議論の中で、否定的な意見は出なかったのだろうか。
「世間から否定的な声が出るのではないかと想定はしていましたが、地元の方の議論の中では異論は出ませんでした。もちろん、アニメイトという企業への優遇措置なども一切ありません」
日本を代表するアニメの聖地のひとつとして、池袋はこれからさらに発展していくだろう。
取材・文/集英社オンラインニュース班