「企業の名前を付けるわけにはいかない」と伝えたが…

どういった経緯で命名に至ったのか。豊島区役所土木管理課の担当者に話を聞いた。

「豊島区では平成2年度から区道に通称名を設定してきました。今回の『アニメイト通り』の命名もその一環です。通称名が設定された通りは、『アニメイト通り』を含めて62路線あります。

2024年の夏頃に、地元の町会・商店会から東池袋一丁目の区道を『アニメイト通りと命名したい』という要望がありました。ただし区道は公の施設ですので、好き勝手に名前を付けるわけにはいきません。

ある程度、公共性がなければいけないとお伝えしたうえで、なぜ『アニメイト通り』と命名したいのかを地元の方でしっかり議論してもらい、その成果を役所に出してもらいました。

それを踏まえて、今年2月上旬に『この内容であれば、区道の通称名として設定できる』と判断し、3月1日付けで『アニメイト通り』と設定しました。地元の発意であり、区から要望したということではありません」

アニメイトの付近には豊島区のホールも…(撮影/集英社オンライン)
アニメイトの付近には豊島区のホールも…(撮影/集英社オンライン)

地元の町会・商店会からの要望により今回の命名に至ったそうだが、その中では課題もあったという。

「最初に地元から相談があったのは昨年の夏、7~8月頃です。ただ、区としてもいろいろと課題がありました。

それらの課題を示して、地元で話し合いをしていただいたその結果、地元の関係町会・商店会7団体の連名で、今年2月に『要望書』という形で書面でいただき、それを受けて区として対応したという形です。

『課題』というのは、アニメイトがいち企業の名前であるということです。企業の宣伝に使われてしまったり、民間の営利活動に区が関与する形になるというのは、やはり公益上、望ましくありません。

ですので、『企業の名前を付けることは認められない』とお伝えしたところ、地元の方から『じつは違うんだ』というお話がありました」

池袋駅東口(PhotoACより)
池袋駅東口(PhotoACより)