時間管理も厳しく
広岡さんが築いた礎は、食生活だけではありませんでした。チームを運営していく上での規律については、厳しく指導していました。ただ、それが何か特別なものだったかというと、そういうことではなく、学生やアマチュアの強豪チームであれば当たり前のことではなかったかと思います。とにかく、シーズン中は野球に集中するというのが貫かれていました。
ただ、プロは職業ですから、個人が自分の人生を切り拓いていかなければいけない中で、すべて管理されるままではいられないと思う瞬間がどうしてもあるわけです。そこが難しいところです。
たとえば、時間の管理も大変厳しく、罰金制度が導入されていました。今はそういったことは許されていないと思いますが、当時は罰金があるチームも少なくなかったと思います。
たとえば、バスの出発時刻が3時だとしたら、ベテランでも2時50分には乗っていました。そうなると、我々若手はそれより前にいないといけませんから、2時40分には乗っていました。
それが、ベテランと同じような時間になろうものなら、きつい目で見られました。もちろん、遅刻する選手はいません。
さすがに首脳陣はそこまで前もって来ることはありませんが、バスが定刻から遅れて出るということはあり得ませんでした。