馴染みのある「リポビタン」が防災備蓄ゼリーに

従来の賞味期限を大きく超える長期保存ゼリーは、「レシピコントロール」「アルミを含む多層構造の特殊フィルムを使用したパウチ型パッケージ」「充填技術」の3つを組み合わせることによって実現された。

そして、このワンテーブルの独自技術「TOKINAX(トキナックス)」は、現在大正製薬が販売する「リポビタンJELLY 長期保存用」にも応用されている。

大正製薬が販売する「リポビタンJELLY 長期保存用」
大正製薬が販売する「リポビタンJELLY 長期保存用」

なぜ、リポビタンブランドを災害備蓄用商品に展開しようと考えたのか、同社マーケティング本部・樋口裕貴氏は、次のように語る。

「大正製薬は、東北エリアを中心に実施している『未来応援プロジェクト』などを通じて、人々の健康を支え、より豊かな暮らしを実現する取り組みを行なっています。また、リポビタンブランドには『すべての人を応援したい』というコンセプトがあり、これまでも震災時にドリンク剤『リポビタンD』を届けるなどの支援を行なってきました。

そんな中で、被災地では通常の茶瓶の飲料よりも求められるものがあると考えた結果、ゼリーの開発に行き着いたんです」(大正製薬・樋口裕貴さん)

中身のフレーバーは「LIFE STOCK」と異なるが、製法自体はワンテーブルのレシピコントロールで作られている。また、パッケージデザインは異なるものの、包装資材は「LIFE STOCK」と同じで、すべてTOKINAXの技術を用いて製造されているそうだ。

樋口氏は、開発時のこだわりについて次のように話す。

「大正製薬としては、馴染み深い味わいで被災した方々に安心感を与え、元気を届けたかったので、“リポビタンと同じような味を実現すること”にこだわりました。また、被災現場ではビタミンB群が不足することが判明していたため、ビタミンをしっかり摂取できるように工夫しています」(樋口氏)