「ボディビルは頭を使わなければならない」
どんなにレベルアップしても、疑問が生じることはある。それが頭を使わなければならないもうひとつの理由だ。
自分が何をしているのかを分析し、自分の進捗をきちんと評価できなければ、その先へは進めない。
ミスターオリンピアレベルの選手でさえ、ジムでの進捗に満足できず、さらに効果的なトレーニング方法を求めて試行錯誤を繰り返しているのだ。
だからこそ、トレーニングのさまざまな原理や方法についてできるだけ多くのことを学び、どのような選択肢があるのかを理解しておかねばならない。
このような理由から、私は単にエクササイズのやり方を解説するだけのありふれた本ではなく、このようなボディビルの事典を作ったのだ。
本書では、ベンチプレスやバーベルカールのやり方、エクササイズをどのように選択するか、そしてそれらをどのようにプログラムに組み入れるかを説明している。
まず基本的なトレーニングを取り上げ、次いで上級者向けのトレーニング、そして大会出場を目指す人には競技者向けのトレーニングへと進むのに必要な情報を提供している。
また、筋肉を増やすための食事法、脂肪を減らすためのダイエット法、ポーズのとり方、日焼けの仕方など、ボディビルに関わるあらゆることについて解説している。これにはスポーツとしてのボディビルと、普段のトレーニング活動としてのボディビルの両方が含まれる。
しかし、これまで述べてきたように、これは肉体のハードワークに限った問題ではない。もちろんそれが前提ではあるが、同時に考えることや学ぶことも含まれる。
頭を使って効果的にトレーニングすること、正しいマインドを持つこと、個々の目標を達成するために必要なボディビルの知識を身につけることも等しく重要な要素だ。
しかし、エクササイズの基本原則を学ぶ前に、実際のワークアウトで身をもって知ることになるいくつかの特別な体験を理解しておくことが重要だと思う。
具体的には、パンプ、トレーニング強度、ケガによる痛みと筋肉痛(とその見分け方)、優れたトレーニングパートナーの助けを借りることで得られる大きなメリットなどだ。
文/アーノルド・シュワルツェネッガー