竹内元県議を呼び捨て、正当性を主張し続ける増山県議

一方、党の処分を待つとして神妙な態度だった岸口氏と対照的に、除名が確実視され会見当日に党に離党届を出していた増山氏は饒舌にしゃべり続けた。

「録音データを外部に流出させたことはルール違反でございます」と陳謝はしたが、音声データなどを立花氏に渡したのは、「公益に資する情報」であり「県民の皆様が知らないまま選挙に突入してしまうという危機感」からだったと行動の正当性を主張。

問題の10月25日の百条委は知事選への影響を避けるため選挙後まで非公開にすることが多数決で決められ、増山氏は非公開に賛成していた。これについては「非公開に賛成したのはそれまでの偏向報道がひどいと感じており、これ以上過熱することを懸念した。しかし新たな重大な事実が証言され県民が知るべき公益に資する情報だと思った」と強弁。

流出させた片山氏の証言の一部はAさんのプライバシー情報だとして選挙後も非公開にされた可能性があったが、すべて立花氏を介して暴露された。これも増山氏は「全体を把握するために必要な情報だと思った」と主張。「有権者がより多くの情報を得て行なわれた選挙の方が正しかった」と独自の見解を開陳した。

ならばなぜ隠れて立花氏に託したのかと聞かれると「百条委の委員として提供すると何らかの責任が生じてくる」と、委員資格は失いたくなかったと正直になる。

昨年12月25日の兵庫県議会百条委で尋問を受ける片山安孝元兵庫県副知事(撮影/集英社オンライン)
昨年12月25日の兵庫県議会百条委で尋問を受ける片山安孝元兵庫県副知事(撮影/集英社オンライン)

ところが一方で、「(Aさんが)不同意性交」をした可能性があると立花氏が選挙中に言い立てたことについて「完全に否定する情報がなく、可能性はあると」とまで言い始めた。被害者がいるとの情報があるのかと質問が出ると「存じ上げていません」と返答。確たる根拠もなくAさんを貶めたと記者からとがめられた。

増山氏らの情報を基にした立花氏の言動の先に竹内元県議が亡くなったことについてどう責任をとるのか、と質問が出ると、
「立花氏の情報によって竹内が亡くなったというような因果関係も私としては確信をもっておりません」と竹内氏を呼び捨てに。百条委委員を辞任し離党することが責任の取り方だ、と述べた。

2月23日の記者会見で話す増山誠兵庫県議(撮影/集英社オンライン)
2月23日の記者会見で話す増山誠兵庫県議(撮影/集英社オンライン)

県関係者は「増山氏は『私は今でも立花氏がデマを言っていたとは認識しておりません』とも発言しました。増山氏は参院選でNHK党から出馬しないかと立花氏から打診されており、応じるのでしょう」と冷ややかだ。