このまま暑くなっていったら、いつか関東でコシヒカリは作れなくなる
小規模農家や兼業農家を庇護する一方で、その“みかじめ料” で食ってきたJAも、もはや安穏とはしていられない時代になったということか。
「個人農家はこのままではなり手がいなくなる一方だし、JAより高く売れる販路があればみなそっちで売るでしょう。そうしたらJAも今のやり方ではやっていけないですからね。備蓄米の放出に関しては、一時的に価格を押し下げたとしても根本的な解決にはならないだろうし、私はコメ騒動以前にだんだんとお米の生産量が落ちていることも問題だと思っています。
特に関東圏はここ数年、異常気象で記録的な暑さが続き、年々コメ作りがしづらい環境になってきています。私はコシヒカリを作っていますが、このまま暑くなっていったらいつか関東でコシヒカリは作れなくなるとも言われていますから。
だから最近は北海道で米作が盛んになっているんですよ。暑いとカメムシが大量発生して養分を吸われてダメになるし、コメ粒の大きさや形がバラバラになったり白濁してしまうんです。暑さに強いコシヒカリの品種の研究もされてはいますけどね」