母親が孤独にならないために。地域でできる新しい取り組み
周囲のサポートがない場合、産後の女性はより孤独を感じやすくなる。ひとりでも多くのママを癒すために、棒田さんはこんな活動も行なっているとか。
「『赤ちゃん食堂』を地元でやっています。日々の生活の中で感じる子育ての悩みや疑問を、インターネットの情報だけではなく、人と人が顔を合わせて気楽に相談できる場所をつくりたいと思い始めました。
結局産後のいちばん大変な時にママたちはふらっと行ける場所がない。乳幼児がいる親子の徒歩でのお出掛け範囲は、300m〜500m圏内(※)だと言われています。(※乳幼児の年齢別にみた地域における親子の「居場所」〜東京都三鷹市絵の親子の外出に関するアンケート調査より〜)
地域の中で子育てを支え合うコミュニティをもっと作っていきたいですね」
地域住民が自由に出入りできる「赤ちゃん食堂」を全国に増やしたい。孫が地域を繋ぐパスポートになる未来もそう遠くはないであろう。彼女の真っ直ぐな眼差しは希望に満ちていた。
PROFILE●棒田明子。NPO法人孫育て・ニッポン理事長、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事。(社)産前産後ケア推進協会監事。全国にて子育て、孫育て、他孫(たまご)育てなどのプロジェクトを行う。著書、共著、監修に『娘が妊娠したら知りたい50のこと』(イースト・プレス)『祖父母に孫をあずける賢い100の方法』(岩崎書店)、『ママとパパも喜ぶ いまどきの幸せ孫育て』(家の光出版)、『まち保育のススメ』(萌文社)、『孫育て一年生』(KADOKAWA)、CD『孫育て童謡』(キングレコード)ほか。
取材・文/桃沢もちこ