全店売上高は2027年に1兆円を視野に拡大

日本マクドナルドホールディングスの全店売上高は2023年12月期が7777億円。2024年12月期は6.6%の増加で、513億円の上乗せに成功している。期初の計画からも31億円上振れた。好調ぶりがうかがえる内容だ。

近年の増収ペースは目覚ましい。2018年12月期から2020年12月期までの全店売上高は5000億円台で推移していたが、あっという間に8000億円台を突破した。

※決算説明資料より筆者作成
決算説明資料より筆者作成
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マクドナルドが収益性を高めた主要因は値上げだ。

2024年12月期の全店売上高は2020年12月比で40.7%増加している。この間に、既存店(オープンから一定の年月が経過した店舗)の客単価は23.7%増加し、客数は9.8%増加した。客単価が大幅に上がったことで店舗の収益性が増したため、フランチャイズ加盟店のメリットが高くなり、増店効果が加わって8000億円を超える売上を達成したわけだ。客単価増の影響が大きいことがよくわかる。

2022年、マクドナルドのハンバーガーの値段は59円だった。デフレ経済における低収益性の罠に長い間はまっていたが、現在はインフレを背景として適正な価格水準に改めることができた。

2月6日、マクドナルドは2025年から2027年までの中期経営計画を発表した。その中で、全店売上高の年平均成長率を4%~6%増にするという目標を掲げている。仮にプラス5%のペースで成長したとすると、2027年12月期に9500億円を突破することになる。6%であれば、9800億円を超え、1兆円が視野に入るレベルだ。

ポイントは、その数字をどうやって達成するかだ。中期経営計画には「店舗ポートフォリオ最適化」が掲げられている。新店の加速と閉店により、3年間で100店舗以上の純増を目指すというものだ。価格改定で店舗の収益性を高める取り組みはひと段落し、次は増店を軸に増収を達成しようというのだろう。

しかし、これは険しい道のりになるのではないか。