同業以外にもマックのライバルとなり得るのは…
マクドナルドは同業だけでなく、別カテゴリーの中食産業とも競合になりやすい。
ハンバーガーショップは、安く手っ取り早く食事ができるという需要を獲得してきたが、近年は「安く」という要素は今や消失している。
そこで競合となりえるのが総菜パンだ。山崎製パンの2023年12月期における菓子パン部門の売上高は前期比14.0%増の4334億円だった。主力の「まるごとソーセージ」が好調で、総菜パンの売上が伸長しているという。
2024年12月期上半期における同部門の売上高も14.8%増の2344億円と好調だ。買収した包装パン事業のYKベーキングカンパニーの収益貢献があったが、ヤマザキパン単体でも6.5%増加している。単価は4.5%上昇したが、数量も1.6%増えた。
出先で手早く何かを食べようと考えたとき、安さを軸に考えれば、マクドナルドよりもドラッグストアやコンビニなどの総菜パンの選好度は上がるはずだ。
また、同じファーストフード店でもマクドナルドをカフェとして利用するのであれば、ミスタードーナツの方が圧倒的にコストパフォーマンスは優れている。(一部店舗では実施していないが)コーヒーはおかわり自由であり、ドーナツは100円台から購入できるからだ。
マクドナルドは今期からが勝負の年となりそうだ。
取材・文/不破聡 写真/shutterstock