「近未来の野球選手」バウアーの復帰

「この新しいユニフォームを着て、このタオルでチームを応援して、ファンのために優勝を勝ち取りたい」

1月27日に開催された「横浜DeNAベイスターズ 2025初春の集い」にてバウアーの2年ぶりの復帰が発表された。単年契約で年俸、出来高含めて契約総額600万ドル規模(約9億3000万円)。ファンたちが心待ちにしていた、サイ・ヤング賞投手の帰還はSNSでも大きな話題を呼んだ。

トレバー・バウアー投手(34) 写真/共同通信社
トレバー・バウアー投手(34) 写真/共同通信社
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バウアーの復帰にはファンだけでなく、選手も興奮を隠せない。

2023年ドラフト1位の度会隆輝は「近未来の野球選手ですよね。ユーチューブやりながら野球選手をやる。ほんと新しい。自分も大好きなタイプの方です」と期待を抱く。同じく助っ人投手で、昨年日本一の立役者となったアンソニー・ケイは「大きな戦力だね。自分たちもいろいろ気づかせてもらうと思う」と話した。

チームの主将・牧秀悟も「頼もしい限りです。メキシコでやっていた映像で見ていた。日本でも1回(シーズンを)経験していて適応するのも早いと思う」「またいいコミュニケーションを取りながらやっていきたい。優勝するにはすごく大切な人が帰ってきた」と復帰を歓待している。

昨年シカゴ・カブスで新人賞に準じるような成績を残した今永昇太とMLBの大物・バウアーを擁した2023年、DeNAは優勝候補筆頭に挙げられた。しかし蓋を開けてみるとリーグ3位。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは広島にストレート負けを喫した。

「前回日本にいたときはすべてを出しきれなかった気がする。最善を尽くしたけど怪我をしてしまってファンの前でシーズンを通して投げられなかった。ポストシーズンを投げられなかったし、優勝もできなかった。今年はそのすべてを変えたい」

復帰発表のサプライズ映像でバウアーはそう振り返っていたが、シーズン序盤は日本の野球への適応に苦しんでいたように見えた。8月に月間MVPを受賞したものの、怪我で9月以降は登板なし。沢村賞獲得とリーグ優勝を目指していた助っ人としては、手ごたえは感じたものの中途半端なシーズンであったことは確かなはずだ。

今回の復帰後はサイ・ヤング賞の本領を見せてもらいたいところだが、筆者はバウアーのプレーで忘れられないシーンがある。