「結論」「根拠」「証拠」の三つを意識する
法律家の世界では、「結論」と「根拠」がもっとも重要になる。
なぜなら、裁判では、有罪か無罪か、原告の勝ちか負けかのどちらかに結論を決めなければいけないからだ。さらにその結論を納得してもらうためには、根拠づけの部分が重要になる。結論と根拠を示すことが、法律には不可欠の要素である。
すこし余談になるが、大昔の法律では、有罪、無罪を、熱湯に一瞬手をつっこんで、火傷をしていなかったら無罪とか、亀の甲羅を焼いてひびがどんなふうに入るかで決めていたという。
今となっては信じられないかもしれないが、そのときの根拠はこうである。人間にはこの人物が有罪か無罪かはわからない。自分が見てもいない事件について、この人が犯人だとわかるわけはないという人間の限界があって、真実を知っているのはお天道さまだけ、神さまだけだから、神さまの考えを聞いてみようという発想だった。
亀の甲羅がこんな割れ方をしたら有罪だ、という共通の物差しがあれば、それが根拠となって、その共同体の中では「これが神さまのご意思だ」と納得できる。