政治を避けている人でも、楽しく見られる場に
──そうした駆け引きに注目すると、ドラマのようで興味深いです。この状況を、今後も保ち続けるにはどうしたらよいのでしょう?
まず「大連立」なんか絶対しないこと! せっかく国会がいい情勢になっているのだから、このまま熟議を続けていただきたい。
そもそも、今の時代、物事をガンガン前に進める必要はそこまでないんじゃないかと僕は思っていて。むしろ、じっくりと議論を重ねるほうが大事ですし、今後は少数与党が当たり前の時代が来ると思っています。
その都度話し合って物事を決めていく、という国会の本来あるべき姿になってくんじゃないかと、すごく期待していますね。
──国会の主役ともいえる、石破茂首相の注目ポイントはどこですか?
非常に上手に国会答弁をされていて、だんだん“良さ”が出てきていますね。あと、ちょっと僕が感じるのは、石破総理の外交方針としては、やはりアジア重視なんだろうなって。
石破総理になってから、ものすごく静かに、かつ着実に日中関係が改善している。米国を軽視しているわけじゃないですが、アジアを軸に展開していこうと考えているんじゃないかなと。
──国会が面白くても、政治に興味のない人や、難しくてわからないと避けている人も多いですよね。こうした人々は、どのような見方をすればいいのでしょう?
これはですね……ぜひ一度、衆議院のホームページをのぞいてみてほしいです。実は、すべての委員会の審議が録画でアーカイブとして残っているんですよ。
有名な国会議員が登場するとけっこう盛り上がりますし、まずは知っている議員だけでも見てみるとよいと思います。
別に、聴き流しでもいいんです。通勤・通学中や作業中にラジオ感覚で聴くだけでも、「あ、今こんな話が国会でされているんだ」ってなりますから。
ニュースでまとめられているものよりも、たっぷり30分聴いてみると、イメージが変わってくると思いますよ。ぜひ、国会審議をラジオ感覚で楽しんでみてください。
──最後に、もっとたくさんの方が国会を見たくなるようなアツい言葉をお願いします。
今の国会は、「多様性とは何か」を体現している場だと思います。現在の議席配分だと、必ずあなたの考えや主張に近い意見を持つ政党や議員が存在しますから。
改めて「民主主義っていいな」と思える、そういう国会になると思いますよ。これまでよりも、政治が身近に感じられるような場になっているので、ぜひ注目してみてください!
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班