「大連立」「衆参同日選」に言及したワケ
「今の時点で大連立を考えているわけではない」
1月6日、年頭の記者会見で石破首相は自身が年始のラジオ番組で言及した大連立について火消しを図った。ここ最近の石破首相は、メディア出演をした際に大連立や衆参同日選の可能性に言及するなど踏み込んだ発言が目立ち、与野党から困惑の声が相次いでいた。
「それだけ手元に切り札がなく、追い詰められているということなのだろう。7月の参院選までには、首相が代わっているのでは」(野党議員)
衆院で自公が過半数を確保できていない状態で臨んだ2024年の臨時国会。石破首相は「103万円の壁」の引き上げなどをめぐって野党との協議を重ね、国民民主などの賛成も得て補正予算の成立にこぎつけた。
だが2025年は、野党の賛成は極めてハードルが高い当初予算案の審議に臨む。永田町では、3月までの予算審議で立ち行かなくなり、予算成立と引き換えに石破首相が退陣する可能性もささやかれている。
ただ予算成立までには、切り札も残されている。
「国民民主が主張する103万円の壁の引き上げは、昨年末には123万円のラインの提示で終わりました。これを140万~150万円程度にまで上げる決断ができれば、国民民主の賛成を得て予算を成立させる道筋も見えてきます」(全国紙政治部記者)