議員側も楽しそう!?  “面白ポイント”と注目の議員

──具体的にどこに注目されますか?

非常に興味深いのは、立憲民主党の安住淳予算委員長です! 昨秋の臨時国会でも、公明正大で、中立公平に議会を差配されていました。

たとえば、 立憲の議員さんがちょっと質問時間をオーバーしたら、「時間を守りなさい!」と、身内であっても厳しく指摘する。これには本当に感心しました。2月いっぱいまでは予算委員会の審議が続くので、引き続き安住委員長には注目ですね。

また、補正予算案が修正で可決されましたよね。これ、補正予算では史上初の出来事なんですよ!

それに政治とカネの問題に関しても、政治資金規正法の再改正案が9本も提出されているんです。これも驚くべきことですよ。

衆院予算委員長の安住淳氏(立憲民主党HPより)
衆院予算委員長の安住淳氏(立憲民主党HPより)

──議員側にも変化はあったのでしょうか?

これまでになく国会審議が充実しているので、国会議員の皆さんも本当に楽しそうですよ。答弁も、非常に緊張感をもって臨んでいますよね。

野党が多数派だと、下手な発言をすれば、今の内閣は不信任案を出されて一発で飛ばされる可能性がありますから、与党議員も閣僚も、野党からの質問に本当に丁寧に、真摯に向き合っている印象です。

今の議席配分のほうが、プレイヤーとしてもやりがいがあると思います。

杉村氏は「議員も緊張感をもって答弁されている」と国会の変化を指摘する
杉村氏は「議員も緊張感をもって答弁されている」と国会の変化を指摘する

──なるほど。では、こうした流れを踏まえて、今回の通常国会の注目ポイントを教えてください。

やっぱり駆け引きじゃないですか? 与党としては、なんとしてでも予算を通したいけど、今は野党と協力しなきゃいけない。

でも、すべての野党と協力する必要はなくて、議席数的には国民民主党、立憲民主党、日本維新の会のどこか一党が賛成すれば、予算は通過します。

その見返りとして、日本維新の会が掲げている高校授業料の無償化を約束するのか。それとも、国民民主党のガソリン減税や話題の「103万円の壁」を178万円まで引き上げる案を受け入れるのか。そのあたりの駆け引きが見どころですね。

ただ、これらの政策は国民にとっては嬉しい話ばかりですが、「103万円の壁」の引き上げなどは地方の税収が大幅に減少する懸念もあります。

自民党の宮沢洋一税調会長も、何も意地悪して引き上げないわけじゃないんですよ。今は少し“ヒール役”に見えますけどね(笑)。

あと、衆院法務委員長に立憲・西村智奈美さんが就任したことにも注目しています。なぜかというと、選択的夫婦別姓制度の導入が、いよいよ現実味を帯びてきていますよね。

法務大臣に就任した鈴木馨祐さんも、若くて非常に柔軟な考え方をされている。現在の法務委員会は、近年にないくらい、注目に値するのかなと思いますね。

西村智奈美氏(本人公式Xより)
西村智奈美氏(本人公式Xより)