恵まれていたデビュー当時の自分
15歳のとき『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』('02年)でフォトジェニック賞を受賞。グランプリは平岡祐太、審査員特別賞は木村了、ファイナリストには加藤和樹もいた。
「近所の美容師さんが応募書類を送っていて(笑)。芸能界への憧れはまったくありませんでした。テレビも見なかったし、俳優という仕事も認識していなかったくらいで」
中学卒業後は庭師を目指し、修業をしていたと話す。
「まだ若かったので“一人前の親方になる”という志が固まっていたわけじゃなくて。ただ、物を作ることとお金を稼ぐことが楽しかったんですよね」
うっかり(?)開いた芸能界への扉。“せっかくだから”とくぐってみると、レッスン&オーディション漬けの日々だった。
「最初の1年はまったく仕事がなかったんですよね。初仕事は時代劇映画『蝉しぐれ』('05年)。知識も経験もなくて、かなり大変でした。
“おはよう”というセリフを1日中繰り返して(笑)。何が違うんだか、当時の自分では全然わからなかったんですよ。でも、負けず嫌いなのもあって、“できるまでやってやる!”という気持ちで食らいついてました」
現場で奮闘する姿を見たスタッフがオファーをしたドラマ『青春の門・筑豊編』('05年)でデビューし、作品を重ねるごとに、番手は上がっていく。
「『リアル鬼ごっこ』のオーディション映像を偶然見た細田守監督が“この子がいい”とキャスティングしてくれたのが、『時をかける少女』の間宮千昭の声なんです」
その後、主演した『夜のピクニック』や『グミ・チョコレート・パイン』でも高評価を得る。
「ありがたいことに、若いころは主演をたくさんやらせていただいて。本当に恵まれていました」
20代になると、映画『ROOKIES-卒業-』('09年)、ドラマ『クロヒョウ 龍が如く新章』('10年)、『アスコーマーチ~明日香工業高校物語~』('11年)など、ヤンチャでいかつい男子が石田の十八番に。
「その頃の役柄の印象が強いんですかね? 短髪で眉毛が細くて。実際、昔は我が強かった。それが映像にも出ていたんでしょうね(笑)。
最近、“もっと怖い人かと思ってた”って会った人によく言われるんですよ(笑)。そんなイメージを持たれていることすら、わりと最近知ったんですけどね」