「留置場から届いた江尻被告の手紙には意味不明なことが…」
記者の隣には、以前に取材した、江尻被告に2000万円以上もの金を詐取された40代のシングルマザーGさんが座っていた(#4)。
Gさんは裁判終了後もすぐには席を立たず、法廷にとどまったままだった。
わずか10メートル先にも満たない距離にいる武田被告と江尻被告が刑務官によって腰縄で結ばれる様を睨みつけていたのだ。そしてこう小さくつぶやいていた。
「バカ、クソが……!」
刑務官はその声に気づいてか、Gさんのほうをギロッと見た。なぜそのような言葉をつぶやいたのか、Gさんに聞いた。
「私のもとには、留置場にいる江尻被告から手紙が届いています。そこには“出所したら半年以内に完済できるようにする”と書かれていたし、“いつか会える日が来たら、お互いに笑って話せたら嬉しい”などと意味不明なことが書かれていました。出所後、半年で本当に返せるのか。現実的な返済計画を聞きたいです」