罪状認否に両名とも「間違いありません」
1月20日、マッチングアプリなどで女性と出会い恋愛感情を抱かせたうえで結婚をほのめかし、10名以上もの女性からおよそ3億円もの金を詐取した被告人2名の初公判があった。
裁判は主犯格の江尻舟一被告と、江尻と共に女性を騙すために共犯した武田佑氣被告の起訴状の読み上げと罪状認否が行なわれた。
まず入廷したのは、40代から50代の女性たちを「姫」と呼んでもてはやし、秘書役として江尻被告同様に女性を騙していた武田被告だった。
その出で立ちは白いトレーナーとグレーのズボンに茶色のサンダル姿。周囲を見渡し、席に被害女性ら3人が並んで座っているのを見つけたのか、ジィーッと睨みつけるようなふてぶてしい表情だった。
次に入廷した江尻被告は、黒い上下のスウェットに茶色のサンダル姿。武田被告とは対照的に、マスクをつけ目を細めるような表情で、誰とも目を合わせないように真っ直ぐ前を向いていた。
検察により起訴状を読み上げられ、その後の罪状認否には両名ともが「間違いありません」とはっきりと答えていた。
江尻被告は令和元年頃から無職で、マッチングアプリで知り合った女性に恋愛感情を抱かせ、返す当てもないのに金を“借りる”という名目でだまし取る行為を思いついたようだ。
そして令和2年頃に、それまでも顔見知りだった武田被告に声をかけ、共謀するようになった。
武田被告は江尻被告の秘書役を装って、同時進行していた複数の女性とのデートの日程調整や日常のLINEなどのやり取りを行なっていたという。
そして昨年、マッチングアプリを通じて出会ったKさん(当時47)から数回に分け、1億430万円もの金をあらゆる虚偽の理由をつけ詐取した。
被害はこの一件だけにとどまらない。検察は複数名の女性への同様の詐欺罪で、今後3月以降に追起訴していくという。