「ほかの地域に負けたくない。ナメられたくないですよね」
それでも、「『成人式』のヤンキーは、以前に比べてずいぶんおとなしくなった」と話すのは、那覇市出身の40代の男性だ。
男性は「僕が若い頃なんかは、市内の学校も荒れている所が多くて、車両の屋根を切って国際通りを暴走するオープンカーが数台出ていました。中学ごとののぼりや旗が県庁前の通りを埋め尽くしていたり。学校ごとの対抗意識も強くて会場でのケンカ沙汰もしょっちゅうでした。その当時に比べると、今の子なんかおとなしいもんですよ」と振り返る。
「荒れる成人式」の沈静化は全国的な傾向ではあるが、「暴走」の仕方によっては、人身事故を起こし、人に怪我をさせてしまうことだってあり得る。
なぜ、それほど「晴れの日」でのアピールにこだわるのか聞いたところ、
「(ヤンチャぶりで)どこにも負けたくないというのがある。やっぱり地元が一番というのがあるんで、ほかの地域に負けたくない。ナメられたくないですよね」と琉樹也さんは話す。
琉樹也さんによると、彼らが自作の「屋根切断オープンカー」で登場した二十歳の集いでの振る舞いがメディアで報じられた後、本人のインスタグラムのアカウントで「フォロワーが増えた」のだという。
一方で、X(旧ツイッター)などのSNSでは、彼らの無軌道な振る舞いを批判する書き込みも目立つ。そういった「アンチ」の声は気にならないのか。
「僕らにとっては、このときの思い出が大事だから、文句があるんだったら目の前に来て言えって感じっすね。だいたい、僕、SNSそんなにやらないし。インスタは一応やっているけど、ほとんど見るだけ。…何が楽しいかわからないんですよね」(琉樹也さん)
倫理やルールから逸脱したあらゆる事象が糾弾され、炎上するこのご時世。「ネット炎上上等」と笑い飛ばす新「ハタチ」だが、ハメの外しすぎは迷惑行為であり、事故にもつながりかねない。
大人であることを自覚し、これからも続く人生を台無しにしてしまわないように願うばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班