「ペーパーテストしか勝たん!」という思い込み
私たち日本人はペーパーテストが大好きです。
ペーパーテスト一発勝負こそ公正で唯一正しい入試方式だと信じて疑わず、近年存在感を増している総合型選抜(旧・AO入試)や学校推薦型選抜(指定校推薦)は「邪道」であると考えている日本人は非常に多いはずです。
Xで私が最近の大学の推薦入試の状況(最近急激に増加している)をポストすると、浪人生や受験を引きずっているおじさんたちから「けしからん!」とたくさんの情熱的なコメントがつきます。正直ちょっと怖いくらいです。
こうした彼らの拒絶反応からもわかるように、「5教科7科目をしっかり勉強するのは受験生の義務だ」と本気で考えている日本人は非常に多いのです。
課外活動や面接を重視する欧米の大学とは異なり、日本の大学は伝統的にペーパーテスト一発試験を重視してきました。東大をはじめとする難関大に合格するため、1日何時間も机に齧り付いてガリ勉するスタイルが日本の受験では当たり前です。
しかし、世界的に見たらこれは割と異様な話です。アメリカやイギリスの難関大学では、確かにそれなりの学力は求められますが、それはあくまで必要な一要素に過ぎず、課外活動やボランティア、クラブ活動などの実績やリーダーシップもよく見られます。
欧米の人たちからしたら、東アジアの人たちが小学生のうちから塾に通い詰め、偏差値を1でも高めるために狂奔している今の状況は滑稽に映っていることでしょう。
それでは、この日本人(東アジア人)の「ペーパーテストしか勝たん!」という思い込みの起源はどこにあるのでしょうか?