大学・就職先・勤めている風俗店も同じ

私は尋ねた。

「女の子と付き合ってるのは、いつ頃から?」

「うーん、大学に入って3年生のとき」

「相手はどういう人なの?」

「相手は……シホさん」

恥ずかしそうに言う。

「え、××のシホさん?」

「そう」

ここで名前の挙がったシホという女性は、彼女が働くSMクラブに在籍している女の子だ。私自身は取材していないが、カオルと同い年でシホという女の子がいることは知っており、店でカオルの取材をしたとき、彼女から店で仲良くしている子として名前が挙がっていた記憶がある。

「シホさんは大学は別だったの?」

「一緒です」

「はーっ、そうなんだ」

「あと、就職先も一緒です」

「ええっ」

つまり、彼女たちは大学の同級生で同じ会社に就職し、密かに付き合っている同性のカップルであり、それに加えて、ともに異性を相手にするSMクラブで働いているということになる。その倒錯した世界に軽い混乱を覚えた。

大学・就職先・勤めているSM風俗店も同じだというレズビアンカップルの“事情” なぜ彼女たちはSM風俗嬢になったのか? _1
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「一緒に住んでるの?」

「いや、一緒には住んでないです。私が実家なんで」

「そうすると、彼女とのセックスはどこでするの?」

「うーん、たまに親が祖父母の家に行っていないときがあるんで、そのときにうちに呼んだりとか、ふつうにホテル行ったりとか、あとシホさんは一人暮らしなんで、そっちに行ったりとか……」

「なんで一緒に住まないの?」

「いや、住みたいんですけど、うちは犬を飼ってて、親も働いてるんで。犬の世話、誰がすんの、みたいなのがあるんです。両方とも一緒に住みたいとは思ってるんですけどね」