「真冬の水商売(ウォータービジネス)!?の巻」(ジャンプ・コミックス82巻収録)

今回は、両さんが寒さをものともせずにウォータースライダー開発のバイトに励むお話をお届けする。

ウォータースライダーとは、プール場などの施設に設けられる滑り台を指す。水を流した滑り台を、まるで流しそうめんかなにかのように人間が滑り降りる遊具で、終着点はたいがいがプールだ。

日本においては、かつて千葉県船橋市に存在したレジャーランド「船橋ヘルスセンター」に1963年に登場したものが、その元祖だといわれている。

1980年代から1990年代にかけて、さまざまな遊戯施設にウィータースライダーが次々と設置され、全盛期には全国で700基ほどもあったという。

東京都足立区の「東京マリン」には、スリル満点に蛇行しながら滑り降りる「スパイラルウォータースライダー」が1986年に登場。

また、東京都豊島区の遊園地「としまえん」には、波のプール、流れるプールなどとともに、「ハイドロポリス」と銘打った大型かつ長距離、さまざまなスパイラルを描いたウォータースライダーが1988年から稼働。丸いパイプの中を滑り落ちるアクアチューブスライダー、右に左に揺れながら滑り降りるリバーランスライダー……など、全盛期には何十種類ものスライダーが備わっていた。

そんなウォータースライダーがあった施設群……船橋ヘルスセンターも東京マリンも、そしてとしまえんも、現在は存在しない。時代の流れとはいえ、いささか寂しさを感じる。

一方、本作が描かれたのは1993年。多種多様なウォータースライダーがしのぎを削っていた時代のあとに描かれているだけに、登場するスライダーは超大型かつ過激だ。寒風吹きすさぶ中、やり過ぎ感たっぷりな施設のテストに臨む両さんの命運やいかに……?

それでは次のページから、両さんの真冬の珍商売をめぐる騒動をお楽しみください!!