「海パン刑事!の巻」(ジャンプ・コミックス76巻収録)

今回は、警視庁が誇るエリート警察官、海パン刑事が登場するお話をお届けする。

海パンにネクタイ、黒ソックスと革靴、腕時計、そして拳銃のホルスター「だけ」を身につけた、筋骨たくましいその男の名は、汚野武(きたの・たけし)。

見た目の異様さに反して、警視庁のエリート刑事なのだ。その姿は「隠し事をせず裸一貫で容疑者に向き合うべき」という、彼の警察官としての矜持が発露したものらしいのだが……。

この海パン刑事、1990年代のテレビ番組「北野ファンクラブ」内のコント作品『海パン刑事』の主人公をパロディー化したキャラクターで、海パン刑事を演じた北野武氏本人からの公認も得ている。

なおのちに、汚野が所属する組織「特殊刑事課」という設定が作られ、変わった服装と特殊能力、装備を持つ刑事たちが続々と『こち亀』に登場することになった。

彼らは、「グランドジャンプ」に掲載され、秋本治先生の最新コミックス「TimeTuberゆかり」に収録された、『こち亀』の名を冠さないスピンオフ作『七人も刑事』にも登場している。ちなみに作品名は、1960年代の長寿ドラマ『七人の刑事』のもじり。

そして作品の主人公である高学歴女性警察官・草波律子の名は、7人の規格外警察官がこの世の悪を超法規的手段で退治する望月三起也の漫画『ワイルド7(セブン)』の隊長・草波勝のもじりだ。

それでは次のページから、伝説的な人気を誇る変態刑事の活躍を、たっぷりとお楽しみください!!