「開発!人間フレームの巻」(ジャンプ・コミックス60巻収録)
今回は、両さんが中川や麗子とともに、自転車のロードレースに出場するお話をお届けする。
中川たちが使用する競技用自転車の群れの中でひときわ異彩を放つのは、もちろん両さんが駆る、白チャリの「千鳥」だ。これはかつて存在していた日本の二輪メーカー・スイフト工業製の品で、頑丈さが売り。まさに両さんにはピッタリの相棒だ。
両さんはこの千鳥で爆走し、その化け物じみた体力を披露してみせるぞ。1月1日からお届けしている「肉体派マジシャン!?の巻」(ジャンプ・コミックス80巻収録)と合わせて読むと、その驚異的な身体能力がよくわかるはずだ。
ちなみに『こち亀』がはじまった1970年代と比べると、自転車の素材や技術の進化ぶりはハンパない。基本構造は替わっていないとはいえ、50年前の自動車と現代の自動車がまるで別物なのと同様に、フレーム、ブレーキ、タイヤ、チェーン(ベルトに置き換えられているものも多い)……各部品がさまざまに進化を遂げているのだ。
フレームひとつを例に挙げてみても……まずは昔ながらの鉄製だったとしても、現代では耐錆性、弾性にすぐれ造形の自由度も高いクロムモリブデン鋼を採用したものが、結構な割合で普及している。
アルミやカーボン製のフレームは本作が描かれた1980年代から存在はしていたが、当時の品と現代の製品とでは性能がまるで異なる。ほかにも、普及率は少ないものの、マグネシウム、チタン、ステンレス、スカンジウムといった素材を使っている場合も見受けられる。
もし両さんが千鳥に乗って現代の自転車レースに出場したら……。やっぱり最新の最高級自転車を相手に、互角以上の戦いを繰り広げるに違いない。
それでは次のページから、両さんと千鳥の人馬一体となった激走をお楽しみください!!