自分自身のその他の経済的リスク
これに対して、自分自身のその他の経済的リスクを考えると、会社やビジネスの浮沈、給与・ボーナスの変動や、転職などによる収入の改善や逆に減少、健康状態の変化、家族や周囲の状況の変化、など多くのリスクに直面しながら、これらに「何とか対処している」はずだ。
例えば、お金が足りなくなれば、より多く働いて稼いだり、あるいは生活費を節約したりして、何とかなっているのではないか。
しかも、運用資金は「当面使わないお金」だ。数字で表れていて分かりやすいからといって、金融資産の損得にばかり注意を向けるのはバランスが良くない。では、月日が経って投資が進み、金融資産の額が大きくなった時にはどうなのか。
この場合、「3分の1の損失」の金額は、収入のアップダウンよりもかなり大きなものになっているかもしれない。しかし、金融資産の額がそもそも大きいということは、それだけ経済的な余裕が大きくなっているということだ。
やはり、「運用資金」を全額「全世界株式のインデックスファンド」で持っていて問題がない場合が多いはずだ。
お金を引き出そうとした時に、株価が大きく下がっているような事態が「結果的に」あるかもしれない。その時には残念に思うだろうが、「意思決定時点の(事前の)選択として正しかった」けれども、運が悪かったのだと考えて納得せよ。
その損失は「サンクコスト」(埋没費用。既に発生していて取り返しが不可能なコストのことで、意思決定上は無視するのが正しい)だ。それ以上の意思決定はできなかったのだし、株価はコントロールできない。
人生にあっては、コントロールできないことについて悩んでも仕方がない。できることは確率・期待値的に良い選択をして、後は好結果を祈るだけだ。それ以上はない。
しかも、損をしても、幸い「お金で済む話!」だ。命を取られたり、信用を失ったりするような問題ではない。