海外に行くと「ゲームの世界に入ったみたいでワクワクする」
――GeoGuessrと出会ったのはいつ頃ですか?
2019年のことだったと思います。X(当時はTwitter)のリポストでゲームのプレイ動画が回ってきたのがきっかけです。
――もともと旅行が好きだったのですか?
そうですね。両親が旅行好きで、昔から色々なところに連れていってもらいました。結婚してからも、夫婦でよく海外旅行に行っています。だいたい10カ国くらいは回ったかな。GeoGuessrを始める前は普通に観光地巡りをしていたのですが、最近ではそれに加えて、ゲームで手がかりに使っている標識や電信柱を見に行く、なんてこともしています。
新婚旅行でブタペストに行ったのですが、ブタペストの電柱はGeoGuessr的にめちゃくちゃ使える手がかりなんですね。ハシゴみたいな形をしているんです。これがどうしても見たくて。でも、街中には電柱が全然ないんですね。なので、往復で1時間かかるちょっと離れたところまで地下鉄で移動して、妻に写真を撮ってもらいました。
これはGeoGuessrプレイヤーでよく言われていることなのですが、遊んでいるうちに、だんだん世界の解像度が上がっていくんです。
普段何気なく目にしている道路標識も、実はいろいろな情報が詰まっていて、とっても面白い。見かけたら少しうれしくなっちゃいます。海外に行くとゲームの世界に入ったような感覚になって、ワクワクしてくるんですよね。
「GeoGuessrで使った手がかりって、実際に存在しているんだ」って。現実の世界を舞台にしているので、当然なんですけどね。
――ゲームにリアルが浸食されてますね……
そうかもしれません。よく、テレビで「世界衝撃映像!」って海外で撮影された動画を放送しているじゃないですか。あれを見ても「この国……どこだ?」と特定を始めてしまいます(笑)。番組によっては最後まで国名が明かされないこともあるので、たまにモヤモヤします。
あとは、歴史にも少し詳しくなりましたね。例えば、ボラードは国ごとにデザインが違うと、さっき説明しましたよね? でも、フランスとセネガルって、使われているボラードが一緒なんです。おそらく、セネガルがかつてフランスの植民地だったからではないかと、GeoGuessrコミュニティでは考えられています。
――そのようなコミュニティがあるんですね
有志が集まって、一緒にゲームをプレイしたり、大会を開いたりしています。国ごとの手がかりをまとめて、攻略サイトを運営しているコミュニティもあります。昔はこういうサイトがなかったので、海外のプレイヤーの動画を見て勉強するしかなくて、大変でしたよ。