「うなぎの長い日の巻」(ジャンプ・コミックス165巻収録)
今回は、両さんが鰻の養殖で一攫千金を狙うお話をお届けする。
鰻は、日本では古くから食用として親しまれてきた魚類だ。その生態や漁の方法などについては本作で詳しく紹介されているのでそちらをお読みいただくとして、ここでは土用の丑(うし)の日について軽く解説してみよう。
「土用」とは季節の変わり目のことで、四季の訪れるタイミング(立春、立夏、立秋、立冬)を控えた18日間を指す。一方「丑の日」は、十二支にもとづいた日付だ。今夏のように、ひとつの季節で2度訪れることもある(7月24日と8月5日)。
なお土用の丑の日は夏にのみ存在するわけではないのだが、一般的には夏のものを指している。また、この日に「う」のつくものを食べる習わしがあることから、鰻を食するようになったともいわれている。ビタミンA・B群やミネラル、DHAなどを豊富に含む鰻は、日本においては夏バテ対策として古くから食されていたという記録もある。
もっとも、屋台や辻売りにはじまり、やがて店を構える鰻屋が登場し流行したのは、江戸時代後期から末期にかけて以降だ。
それでは次のページから、両さんの“鰻”長者大作戦の顛末をお楽しみください!!