70代男性が殺人事件とも関連があるとみて…
同日午後6時ごろ、柏市高柳の不動産業・渡来敏明さん(59)方の敷地内で「男女が血だらけで倒れている」と近所の人から119番通報があり、柏署員が現場に急行。渡来さんと妻の礼子さん(59)が血まみれで倒れており、搬送先の病院で2人とも死亡が確認された。
2人とも胸や腹、背中などに複数の刺し傷や切り傷があり、県警捜査1課は殺人事件と断定して19日、同署に捜査本部を設置した。
一方でこの通報の約10分後、現場から約600メートル離れた住宅街の平屋建て住宅から出火、この家を含めて8棟が全焼する火事があった。この火事で高齢の男女2人が病院に運ばれたが命には別状はないという。また、平屋の住人の1人と連絡がつかず行方を追っていた。
「渡来さん宅の室内は激しく人が争ったような形跡があり、2人とも両腕に刃物を避けようとできた防御創が多数あった。119番通報の10分ほど前には『女性の言い争うような声が聞こえた』との110番通報があり、渡来さん夫妻が刃物を持った人物と格闘していたとみられます。
県警は現場から逃走した人物の行方を追っています。さらに、この直後に8棟全焼した火事が起こり、その火元とみられる平屋の70代の住人男性と渡来さんの間に、金銭トラブルが発生していたことが捜査で判明しました。男性は火事のあと連絡がつかず、県警が行方を捜し、同日、男性を発見。任意同行を求めたところ暴れるなどしたため公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕した。捜査本部は殺人事件と火災についても関与があるとみて追及する方針です」(千葉県警担当記者)
渡来さんの自宅は東武鉄道高柳駅の東北約1キロの住宅や田畑の混在する地域。渡来家は地元では地主として知られた家系だという。
「渡来家の本家は農家で地元に広大な土地を持つ地主で、その分家筋にあたるのが被害者の家系だね。亡くなった敏明さんの父親が高柳駅前で別の屋号で商売をしていて、敏明さんが独立するときに屋号を『高柳不動産』に変更したんだわ。先代の親父さんは服装も交友関係も派手で地元でも有名人だったけど、敏明さんは真面目でおとなしいタイプだったんだけどね」(近所に住む男性)
8棟が全焼した火災現場は、渡来さん方から東北方向に約600メートル離れた住宅地。近くに住む70代の女性によると、火元とみられる平屋の住人は、逮捕された70代の男性とその妻のようだ。
「ドーンていう音がして交通事故かなと思って裏を見ると、もうその時は火で真っ赤になってて、どんどん燃え広がったのね。多分焼けたのは7、8軒で、借家ばっかりじゃないかな。
ほとんど平屋で、一軒だけ2階建ての家がありました。火元の家も平屋ですね。その家に住んでいた男性とはお付き合いはなかったんですけど、時々年下の奥さんか誰かわからない女性と一緒に小さい犬を連れて散歩してましたね。
会釈すれば返すくらいで、全然普通の人でしたけどね。こんなことが起きるなんてねえ。しかも殺人事件と関係しているっていうじゃないですか。北九州と一緒ですよね。向こうは捕まったみたいですけど」