ドライブレコーダーのリレー捜査が解決につながった
事件は12月14日午後8時25分ごろ、同区の「マクドナルド322徳力店」でレジに並んでいた中学3年の中島咲彩(さあや)さん(15)と同級生の男子生徒(15)が店内に入ってきた男にいきなり刺された。
中島さんは腹を刺され、近くの病院に運ばれたが死亡、男子生徒も腰付近を刺され致命傷になりかねない深い傷を負った。
男は刃物を持ったまま車で逃走、県警が緊急配備を敷いて行方を追っていたが、事件発生から5日目の19日、男子生徒に対する殺人未遂容疑で逮捕した。
男は同区長尾の無職、平原政徳(ひらばる・まさのり)容疑者(43)。県警は動機などを追及し、中島さん殺害についても取り調べる。
福岡県警担当記者が言う。
「男子生徒は重傷を負ったものの意識がはっきりしており、刺した男について『面識のない、僕の知らない人です』と答えていました。
中島さんと男との関係についてはまだわかりませんが、男は店内に入ってレジ待ちの列を通り過ぎ、最後尾に並んでいた中島さんら2人に無言でいきなり刃物を振りかざし、入ってきた出入り口から立ち去った。その間わずか約30秒。このため、個人的な怨恨というより無差別な対象に向けた通り魔的犯行という見方が支配的でした。
また、サンダル履きでフラッと訪れ、慌てることなくそのまま徒歩で逃げたことから近所に住む土地鑑のある人物とみていました。実際には平原容疑者は現場の店に車で乗りつけ駐車場で15分ほど待機してから店内に入り、犯行後は再び車に乗り込んで逃走した。
店内の防犯カメラには犯行や逃走の様子は映っていなかったものの、周辺住民から防犯カメラやドライブレコーダーの映像など捜査情報が続々と寄せられ、100件以上に上った。それらを繋ぎ合わせることで絞り込みが進み、早期解決につながったのです。調べに対し、平原容疑者は容疑を認めています」