「ハローグッバイ!前編」(ジャンプ・コミックス29巻収録)

今回は、両さんの母・両津よねが登場するお話をお届けする。

両さんの母は、いかにも下町のおかみさん的なおおらかさをたたえた女性だ。夫の銀次とは意外にも恋愛結婚で、女学生の頃から交際していた。両津家に嫁ぎ、父親以上に問題児な長男の勘吉と、きまじめで弁護士事務所を営む次男の金次郎を授かり育てた。

それにしても、浅草の老舗佃煮屋「よろず屋」のせがれとはいえ、背中に半端な彫り物をしていて飲む打つ買うの三拍子が揃った道楽者の銀次と一緒になるのだから、かなり肝が据わっている。そのあたりも細かいことは気にしない、江戸っ子らしい気質ゆえだろうか。

ちなみによねの実家は、映画『男はつらいよ』の舞台で知られる葛飾区柴又にあり、弟の緒形米吉が家業の総菜屋「みはし屋」を営んでいる。

「浅草ラプソディーの巻」(ジャンプ・コミックス29巻収録)より。銀次にもらったかんざしを、麗子にプレゼント。「こんな娘が勘吉の嫁に来てくれたら…」とでも思っていたのかも。なお「よのや櫛舗」は、現在も浅草の伝法通り沿いで営業を続けている
「浅草ラプソディーの巻」(ジャンプ・コミックス29巻収録)より。銀次にもらったかんざしを、麗子にプレゼント。「こんな娘が勘吉の嫁に来てくれたら…」とでも思っていたのかも。なお「よのや櫛舗」は、現在も浅草の伝法通り沿いで営業を続けている

それでは次のページから、両さんがとあるゲストを連れて実家を訪ねるお話をお楽しみください!!