日本で初めての「女性暴力団員」と認定された壮絶半生「男って血を見ると弱い。下手打った組の人間の指、私が数人飛ばしましたよ」【2024 インタビュー記事 4位】
2024年度(1月~12月)に反響の大きかったインタビュー記事ベスト10をお届けする。第4位は、日本初の“女ヤクザ”として国にも認定された女性の半生を聞いた記事だった(初公開日:2024年3月15日)。日本で初めて国に「女性暴力団員」と認定された女性がいる。その名は西村まこ。ケンカ、恐喝、拉致監禁、管理売春、シャブ屋(覚せい剤販売)など、ありとあらゆる悪事を重ねて刑務所に収監。出所後に組から破門され、一時は子育てに励むも、その後再び、40代前半でヤクザに戻った過去を持つ。そんな半生を振り返った自伝『「女ヤクザ」とよばれて ヤクザも恐れた「悪魔の子」の一代記』を上梓した西村まこさんに話を聞いた。
「女ヤクザ」とよばれて#1
幻覚・幻聴があっても、ヨレない私のヤクザ道
――覚せい剤を断ち切るのは大変でしたか?
私は簡単にやめられました。きっとそもそも体に合わなかったんですよね。覚せい剤を見ただけでゲロ吐いちゃうこともありましたし。
10代のときに、初めて覚せい剤をやって、髪の毛が逆立ったような感じがして、クスリが抜けたときに体がダルくて、何もやる気が起きなかったんですよ。だから、二度とやるもんじゃないとは思っていました。
ヤクザになってからは、ヤクザたるもの覚せい剤ぐらいやらないと格好がつかないと思い、常用していましたが……。結局、覚せい剤をやめると体が辛いので、それを消すためにやるって感じです。その繰り返しで、打つたびに後悔する、またやっちゃったって感じで。
幻覚や幻聴もバリバリで、中身はヨレヨレなんですけど、それもヤクザとして格好が悪いので、人前では出さないように努力していましたね。
――経験者として、街中で覚せい剤中毒者を見たらわかりますか?
すぐにわかりますよ。明らかに動きが変ですもん(笑)。それに絶対に目を合わせないし。
《後編》はこちら
「修羅場をくぐって来た私も“人生、終わった”と思った」日本で初めての「女性暴力団員」と認定された女がもっともヤバいと思った瞬間
取材・文/集英社オンライン編集部
『「女ヤクザ」とよばれて ヤクザも恐れた「悪魔の子」の一代記』
西村まこ
2024年3月24日
¥1,870
240ページ
ISBN:978-4909979605
国が初めて「女性暴力団員」と認定した女の“最強伝説”
――そして恋愛、結婚、育児、更生への道
“突破者”と呼ばれたワシ以上の“じゃじゃ馬”が、
本物の“侠客”になった! -竹垣悟(元山口組系組長、現NPO法人「五仁會」代表)
私はあるとき、「女のヤクザっていないんだ」という事実を知ります。
刑務所内で「ヤクザの脱退届」を書いたときのことです。
「あんたが日本初だから、こんなに時間かかるんよ」と、いやみを言われました。
ケンカ、恐喝、拉致監禁、管理売春、シャブ屋(覚せい剤販売)などなど、
ありとあらゆる悪事を重ね、更生不可能と思っていた私も、
「五仁會」に出会うことで、更生し、人の役に立ちたいという思いにいたりました。
本書を読んでくださった方が、更生への道を進んでくださることを願っております。(「はじめに」より)