子ども欲しい? 欲しくない? Z世代のリアルな「子育て」に関する悩み

「子どもが欲しくない若者は5割」――この数字に危機感を覚える中高年世代も多いだろう。

BIGLOBEのZ世代を対象とした調査では「子どもが欲しくない」と回答した理由の内訳として、「お金の問題」が17.7%、「お金以外の問題」が42.1%となった。

さらにお金以外の問題として挙げられた理由には「育てる自信がないから」、「子どもが好きではない、子どもが苦手だから」、「自由がなくなるから」が上位になったという。

結婚・出産・育児には多額のお金が必要となるが、どうやらZ世代の若者たちは経済的な理由以外でも不安を抱えているようだ。

「育児より、仕事バリバリやっている方がまだラク」

最初に話を聞いたのは都内在住のレイカさん(仮名・26歳)。レイカさんは大学卒業後すぐに結婚し、その直後に妊娠が発覚、妊娠当時は23歳だったという。

複雑な事情により出産後数か月で夫と離婚し、現在3歳の男の子を育てるシングルマザーだ。

そんなレイカさんがリアルな子育ての実情を語ってくれた。

26歳のシングルマザー・レイカさん(仮名)
26歳のシングルマザー・レイカさん(仮名)
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「産んでから数か月は本当にしんどかったです。例えば、夫が早朝勤務の日は、深夜2時に起きて夫の朝食を作り、そのあとに子どもの授乳やおむつ替えなどをすべて終えて、夫を4時ごろに見送ります。

その後は、2、3時間寝ては、子どもの面倒を見ての繰り返し。そして夫が帰ってきてから夕食を準備して、子どもを寝かしつけて…といった一日で、そういった生活が数か月続きました。

そんななかで離婚することになり、体力・気力ともに限界を感じました」

レイカさんの元夫は基本的に育児を手伝うことはしなかったという。

男性の育児参加についてレイカさんの意見を聞いてみた。

「いま証券会社でフルタイムの正社員として働いていますが、正直働く方が育児より100倍ラクですよ。決められた仕事をやって、しっかり1時間休憩を取って、お給料をもらう。

でも、育児はイレギュラーなことも多いし、休むこともできない。育児は“ひとりでできて当たり前”っていうほど楽じゃないんです。

そのことをパートナーにはわかってもらいたいし、もっと自発的に育児に参加して欲しいなと思いますね」

最後にレイカさんに「若者の5割が子どもを欲しくない」という事実について、どう感じているのか聞いた。

「あらゆる物価が高騰していて、円安も進んで、給料も上がらない世の中で、自分の生活だけで精一杯になって、子どもを育てる余裕がなくなることって当然だと思います。

特に都心は物価も高いし、家賃も高い。

それに教育や習い事の種類も豊富で、子どもにいい教育を受けさせたいと思うとかなりお金がかかります。

都心で子どもを育てることのハードルってかなり上がっていると思います」