“期間限定アイドル”と化すミスコン候補者

11月下旬、都内の某有名大学で行なわれた学園祭。キャンパスには多様な出店が並び、大勢の人でにぎわっていた。そんななかでも、ひときわ目を惹いたのが、屋外ステージで行なわれていた「ミスコン」だ。

最前列には一眼レフカメラを構えた人や、推しの候補者の名前を張り付けた手作りのうちわやボードを掲げて声援を送る人…、学生というより、学外から来たとみられる年齢層さまざまなファンの姿だった。

「毎年夏になると、ミスコンの公式SNSで候補者がお披露目され、そこから11、12月ぐらいにあるコンテスト本番までの数か月間、各候補者がネット上にアカウントを作って広報活動を続けます。お披露目後には、公式サイトでの投票も開始され、インスタや動画配信などさまざまなSNSを駆使して自分の魅力を発信するんです」

そう語るのはウォッチ歴20年のミスキャンパス評論家、霜田明寛さんだ。

「かつてのミスコン活動といえば、文化祭の本番に出るだけだったんですけど、2000年代半ばから候補者がブログをやるようになって、2010年代からSNSも活用するようになり、ミスコン活動の主戦場はSNSへと移行していきました。それに拍車をかけたのが、2020年のコロナ禍です。

観客を入れてイベントすることが難しくなって、本番もほぼ無観客。主催者側はネット投票を導入するようになり、学外にも票が広がるようになっていった。候補者はそれを煽るためにSNS活動に邁進。パフォーマンスこそしないものの、イメージとしては“期間限定の素人アイドル”のようなものでしょうか」(霜田さん、以下同)

学祭後、ミスキャンパス候補者のXをのぞいてみると、

《Xを投稿するのに毎度緊張していたあの頃からはや4カ月!いつも応援ありがとうございます☆最後まで走り抜けます!!!》

候補者が写真付きでこうした投稿をすると、リプ欄には、

《〇〇(候補者の名前)ぽち完了しました》《本日のポチ完了》と投票を完了した旨を伝える投稿が連なるなか、

《今日も体調崩さないように気を付けてね》と連日、推しの体調面を気遣う“体調心配型”ファンや、推しの投稿をひたすらリポストし続ける“リポスト型”ファンの姿が散見された。

また《写真は3000枚近く撮ったので少々お待ちください》《2日間東京の〇〇祭来れて楽しかった。夜行バスで名古屋についたよ!》などと熱烈な推し活を匂わせる投稿もあった。

2024年「ミス東大」ファイナリストの5人(写真/「MISCOLLE」サイトより、以下同)
2024年「ミス東大」ファイナリストの5人(写真/「MISCOLLE」サイトより、以下同)
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