「やっぱり今でも一番出たいのはテレビ」

――フジテレビの深夜でバラエティ×教養をテーマにした番組というと、90年代には『カノッサの屈辱』や、2000年代には『お厚いのがお好き?』などがありますが、フジテレビという局に対しては、どんなイメージを持たれていますか?

バカリズム(以下同) 『カノッサの屈辱』は僕も視聴者として好きでしたし、この番組を立ち上げるときにも、そういう系譜だろうなとは思っていました。くだらないことを本気で調べて掘り下げる。フジテレビのよさですよね。

個人的にフジテレビの原体験は圧倒的に『オレたちひょうきん族』です。あとは『27時間テレビ』のお祭り感とか、フジテレビのお笑いは好きでしたね。そういうのを素人のときに見て、東京には楽しそうな世界があるんだと思って憧れて上京しましたから。

でも、いざ自分が芸人になってテレビに出るようになったら、あの頃のような豪快なお金の使い方は、バラエティではできなくなっていましたね。

僕が番組収録の前説をやったり、テレビにはまだ出られないくらい若手の頃に、大御所の番組にはまだお金があったみたいですけど、ちゃんとテレビに出られるようになった頃にはもうバブルは終わっていましたね。

フジテレビ特集に合わせてテレビ全体の話を聞いた
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――かつては唯一無二だったテレビも、いまやライバルとなるメディアが乱立しています。

予算が減ったり、全体の視聴率が下がったことで、テレビが衰退しているとかよく言われますけど、僕はそんなふうには思っていないです。やっぱり今でもテレビは好きでよく観ますし、一番出たいのはテレビです。

なので、テレビのことを悪く言う人は、テレビに関わらないでほしいです。今でもテレビが好きな人たちだけで楽しくやっていければいいと思います。僕はテレビのことも、フジテレビのことも、ほかのテレビ局のことも、悪く言いたくない。

もちろん予算がこの先も減っていく可能性はあるでしょうけど、だからといって、ネットの方がいいとも思わないですし。僕はテレビが好きで、テレビに出たくてやっているので。