merchu社がPRした空飛ぶクルマは「知事直轄、勝手にやるな」
SNSではnote公開直後から「炎上」状態になっていた。
「暴力的な脅迫が相次いだ選挙の裏側でこんなことをやっていたのか、と斎藤陣営を非難する声が多いですが、斎藤氏の支持者とみられるアカウントでも『彼女の投稿で離れてしまう支持者が出てしまうのが残念です。私も冷めてしまった一人です』との失望の声が出ています。自分の一票は“収穫”の対象だったのかと憤る声もあります」(地元記者)
そもそも、斎藤氏はなぜmerchu社を訪れたのか。折田氏はその答えもnoteに「兵庫県庁での複数の会議に広報PRの有識者として出席しているため、元々斎藤さんとは面識がありました」と書いている。
県政担当記者が解説する。
「折田氏は『2021年より兵庫県地方創生戦略委員』『2023年より兵庫県空飛ぶクルマ会議検討委員』とプロフィールで明らかにしています。つまり県の業務に絡む人物が選挙で陣営に入っていたわけです。さらに、空飛ぶクルマと言えば斎藤氏のパワハラ疑惑に絡み県議会が実施した県職員アンケートに気になる記述が出てきます」
その記述とは、2023年1月、県が関与する空飛ぶクルマ関係の新規事業が報じられた際、内容を了承していたはずの斎藤知事が担当者を「なにこれ。聞いてない。空クルは知事直轄。勝手にやるな。やり直し」と厳しく叱りつけたというものだ。
「これまではパワハラ疑いの一例、としてしか認識されていなかった話ですが、空飛ぶクルマには、なにか敏感な問題があるのかもしれません」(県政担当記者)
22日、斎藤氏の代理人は一部メディアに、陣営が折田氏側に金銭を支払ったことを認めながら「ポスター製作など、法で認められたものであり、相当な対価を支払った」「SNS戦略の企画立案などについて依頼をしたというのは事実ではありません」「あくまで、陣営の指示に従ったものを製作していただきました」と主張した。
折田氏のnoteと大きく食い違う説明だ。集英社オンラインはmerchu社に質問状を送ったが、指定した期限までに回答はなかった。
折田氏のnote記事は11月23日現在公開されているものの、問題の記述は消され、YouTube動画は丸ごと削除された。会社のホームページもほとんどの内容が見られなくなった。
折田氏とは何者なのか。そして何が行われていたのか。説明を求める声は広がり続けている。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班