〈後編〉

「今やるべきことだったのかもしれません」

――初のフォト&エッセイ『瞳のまにまに』の発売、おめでとうございます。まずは、今の率直な気持ちをお聞かせください。

田中瞳(以下、同) ありがとうございます。これまで公の場で発信することがなかったので、エッセイというぎゅっと凝縮した形で自分の考えが世に送り出されるのは、若干恐ろしさがありますね。

もちろん楽しみなのですが、一方でどんなふうに受け取られるのかちょっとだけ怖いな、と……。

そもそも私はテレビ局のアナウンサーで、会社員なので、「こんなにパーソナルなことを書いていいのかな?」とも思うんです。

もちろん、会社員だって自分を発信していいとは思うのですが、私はまったく曝け出してこなかったので、「『何を語っているんだ』と思われちゃうかな」「ちょっと恥ずかしいな」という気持ちもありますね。

ただ、さまざまな情報源があるなかで、このエッセイでは“本当の自分”のことだけを綴っています。

そういう意味では、今の自分にとってやるべきことだったのかもしれない、とも感じています。

テレビ東京アナウンサー・田中瞳さん
テレビ東京アナウンサー・田中瞳さん
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――ご自身の言葉で文章を綴ってみて、いかがでしたか?

すごく楽しかったです! 普段の仕事で文章を書くことが、実はあまりなくて。基本的には原稿を読むことのほうが多いので、自分の考えを文字にしていくという体験自体が新鮮でした。

でも出来上がった文章を見て、「暗い人って思われないかな~」と思ったり……。そう捉えていただいても大丈夫なのですが(笑)。

――これまで日記を書き溜めるなどのご経験は?

いえ、日記は本当、三日坊主を何回繰り返したことか(笑)。3ページしか埋まっていない可愛いノートが、家にいっぱい眠っていますね。

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――執筆中、何かご苦労されたことはありましたか?

書き終えた文章でも、次の日に見ると、「なんかちょっと違うな」と感じることも多くて。

執筆自体が慣れない作業だったので、書いては最初から読み返して、と続けていたら、けっこう時間が掛かってしまいました。関係者の皆さんには、ご迷惑をおかけしたと思います。