時代と寝たのが山口百恵なら

……翌1998年5月、聖子はとっとと2度目の結婚をした。

お相手は6歳年下の歯科医師、「ビビビっ」ときたから結婚したそうで、「ビビビ婚」なる流行語まで生み出した。
観客との掛け合いの妙が聖子のコンサートの名物だが、このころは観客席にいる自分のダンナに「センセエ〜〜〜〜」と手を振るのがお約束。もちろん聖子ファンも大いに盛り上がる。

甘く見てました、松田聖子を。

本能のままに生きるのが聖子。
それがいつのまにか時代とマッチングしてしまうのが聖子。

山口百恵が「時代と寝た女」なら、松田聖子は「時代を踏み台にする女」。

この歯科医師の夫とは2000年12月に離婚、2012年にはやはり歯科医師の男性と結婚し、現在も婚姻関係は続いている。

我々はこのあと、聖子が離婚しようと再婚しようと、腰を抜かさない覚悟はもはやできている。

往年のジャズナンバーをカバーした自身初となるジャズ・アルバムのシリーズも今年で3枚目に。新たな挑戦が途切れないのもまた松田聖子だ。SEIKO JAZZ3(2024年/EMI Records)
往年のジャズナンバーをカバーした自身初となるジャズ・アルバムのシリーズも今年で3枚目に。新たな挑戦が途切れないのもまた松田聖子だ。SEIKO JAZZ3(2024年/EMI Records)
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その後もずーっと歌手としてさまざまなチャレンジをし続けてきた「歌が大好き」な聖子だが、今年62歳において中央大学法学部卒業という、これまたとんでもないことを成し遂げてくれた。

年齢なんて記号に過ぎない、とは昨今よく言われるけれど、松田聖子に限っては、年齢は時代との符牒…合言葉になっていることは間違いない。

たとえそれが何歳のときであっても、聖子がなにかしたなら、その年齢は特別なものになるのだ。

取材・文/集英社オンライン編集部

松田聖子結婚記念写真集『愛・聖子』(1985年/集英社)。当時の芸能誌「週刊明星」によるフォト・シリーズ
松田聖子結婚記念写真集『愛・聖子』(1985年/集英社)。当時の芸能誌「週刊明星」によるフォト・シリーズ