家を出る前に株を売った
千明容疑者は国産の大衆車に22年乗り続け、長年株式投資も続けていたようだ。
「株は30年くらい置きっ放しで、年に2回くらい配当金が入ってきて私にも何か買ってくれることがありました。
本人は万年筆以外で高いものは買ってなかったと思うけど、その女の子にはだいぶ使ったと思うよ。10日ぐらい前にずっと置きっぱなしだったその株を売ってたから。
昨日、そのお金を少し私にくれようとするから『年金で十分だからお金はいいよ』と断ったんだけど、『歳の順に死ぬとは限らない』『全部じゃないけどお金は置いていく』と100万以上のお金を置いてったんですよ」
家を出る前、千明容疑者は他にも自分なりの「終活」をしていたようだ。
「息子には『スマホは持たない方がいい』と反対されていたけど、『スマホがないと困るから欲しい』って最近も言ったの。不思議なことに昨日の夜、寝ようと思って寝室に入ったら充電されたスマホが置いてあって、私の電話帳がちゃんと入っていたの。それはもともと息子が持っていた3台のスマホのうちの1台でした。
ほかにも年取って運転できなくなったから『タクシー券もらいたい』と相談しても『そんなのいい』って反対してたのに、最近になって『お母さん、タクシー券もらえば?』って言うようになったのよ」
父は母よりも身体が弱く、床に伏せる時間が長いという。無口で優しい孝行息子が両親を残し、凶刃を娘のような年齢の女性に向けた理由は何だったのか。警視庁が動機などを追及している。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班