押入れに入れられて口に「何か」を入れられた…
この日の意見陳述に出廷したのは被害者5人(C、D、E、F、G)の保護者や代理人。最初にCの母親が証言台に立ったが、裁判官に発言を求められても10秒ほど黙ったままで、ようやく震える涙声で次のように述べた。
「昨年末、娘から『お昼寝の時間、なぐみ先生に押入れに入れられて口に何かを入れられた、言ってはいけないと言われたから話していいのかわからない、でも、自分に良くないことをされた』と聞きました。
とても複雑な表情を浮かべながら話してくれました。大切に育てた娘が、私に初めて見せた表情でした。今でも、そのとき見せた顔が…頭から…離れません。すぐに保育所に電話して、副園長と長田と私の3人で面談しました。
長田は『よく覚えていない』と頭を抱え、眉間にシワを寄せましたが、何も覚えていない訳がないと確信しました。翌日には園長の父も面談に加わり、長田は『お昼寝のときに見たDVDと勘違いしている』などと前日とうってかわった余裕の弁明に違和感を抱きました」
鬼畜のような長田被告の犯罪は、Cちゃん一家を絶望のどん底に突き落とした。母親はこう続けた。
「私たち家族は被害前と同じ生活ができていません。いまだに私は毎日泣いていますし、娘はTVを観たくないと言ったり、寝言で『やめて』などと言っています。なぜ当時5歳の娘がこんなつらい目に遭わなければいけなかったのでしょうか。
(長田から)送られてきた反省文は行動も言葉も伴っていないし、社会復帰の話が出ていて怒りを覚えました。裁判でも、長田は平気で嘘をついてます。
性犯罪は心の殺人と言います。仮に長田が服役して出所したとして、それで罪を償ったとは思いません。私たちはトラウマを抱えたまま生きていきますし、以前に戻るのは不可能なので、決して許しません。可能な限り重い刑罰を望みます」
被害者Dについては、代理人が両親からの手紙を代読した。
「事件以降、娘は夜中に突如泣き叫ぶときがある。昼寝をしていなくてルールを守っていない娘を口止めするような、未熟さ、純心さに漬け込んだ許せない犯行。
これから先の人生、一体何がトリガーとなるかわからず、先々で心配。長田はDの小さな体に地雷を埋め込んだようなものです。精神疾患で自殺する可能性もあります。
また、我々保護者も、教育者を信用できなくなりました。長田は犯行に及んだら子どもの心身に影響が出ることはわかっていたと語ったが、ならなぜ止めなかったのか。
裁判でも自己都合しか言わず、弁済に家を売る発想がないのも考えられないし、許すことはできない。加害者は社会復帰に触れるなど将来に希望を持っているが、私達は闇の中にいます。
同じことを起こさない、性犯罪を犯した保育士は保育の仕事に就職不可能にするなど、社会制度が変わることも望みます。いかに保育士の性加害が厳罰に処されるべきか、社会に示してほしい」