交際開始半年で養子縁組。理由は「死に目にあえないかもしれない」から

––––そもそも、2人の出会いはいつなのでしょうか?

さだにゃん  2年前に友だちが主催したレズビアンイベントで出会いました。

みーちゃん  はじめて出会ったとき「綺麗な人だなぁ」と思って、私からアプローチしました。そばをウロウロしたり、話しかけたりしていましたね。

さだにゃん  私はそれまで女性と付き合うきっかけがなかったんですが、みーちゃんはすごいガツガツ来てくれたんですよ。

さだにゃんさん(右)とみーちゃんさん(左)は、2022年12月に養子縁組をした(写真/本人Instagramより)
さだにゃんさん(右)とみーちゃんさん(左)は、2022年12月に養子縁組をした(写真/本人Instagramより)

––––どのような経緯で付き合うことになったんですか?

みーちゃん  出会って2日目にさだにゃんが酔っ払って私に電話をかけてきて、「結婚してくれないなら死んでやる!」と言われたんです。そのあと、「お付き合いしてください」とLINEでメッセージが送られてきました。

さだにゃん  私はその記憶がまったくなくて(笑)。でも、それがきっかけでお付き合いすることになりました。

––––2人が同棲するようになったきっかけは?

さだにゃん  お付き合いしてから、みーちゃんが私を家に帰してくれなくなったんですよ。みーちゃんの家は私の自宅から遠くて、音楽教室の仕事のたびに、片道40分かけて行き来していました。
でも、SMクラブの仕事の予約が急に入って、みーちゃんの家に調教道具の縄を取りに行かなきゃいけなくなることもあって、けっこう大変だったんです。だから、一緒に住むことにしました。

––––どのような経緯で養子縁組に至ったのでしょうか? 

みーちゃん  東京都のパートナーシップ制度だと、万が一パートナーに何かがあったとき、都の病院以外だと立ち会えない可能性があるんです。それだと、死に目にあえないかもしれないので、早く養子縁組しようって話になりました。

さだにゃん  2022年7月に付き合い始めて、同年12月に籍を入れました。養子縁組は1日でも年上のほうの籍に入る決まりになっているので、私がみーちゃんの籍に養子として入っています。

––––同性婚が認められていない日本の現状に対して、率直にどうお考えですか?

さだにゃん  日本では現状、同性カップルが同じ籍に入るためには、養子縁組をするしかありません。でも、今の法律では、一度養子縁組をした相手とは結婚できない。もし将来的に日本で同性婚が認められたら、それに対して何らかの救済措置があることを願っています。

みーちゃん  同性婚が認められたら、どうするのが私たちにとって一番いい形なのか、さだにゃんと話し合って決めたいですね。

––––今後の目標は何ですか?

さだにゃん  SMとアートを融合させた「artiSM」というイベントを主催しているんですけど、そのイベントを海外でも開催したいですね。私たちがやるSMはとても美しいので、海外の方々にも観てもらいたいです。

さだにゃんさんが主催するイベント「artiSM」のフライヤー
さだにゃんさんが主催するイベント「artiSM」のフライヤー
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––––お2人の将来の夢は何ですか?

みーちゃん  田舎で隠居とかしてみたいね。

さだにゃん  そのときは、SMカルチャーが盛んな札幌がいいなぁ。SMって、寒いところで盛んなんですよね。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班