スマートウォッチに求めるものとはなにか
スマートウォッチを使う理由とはなんだろう。
通知機能、健康管理、運動記録などを利用したい、あるいは新しもの好き、ガジェット好きというのもありだろう。
2015年に初代Apple Watchがリリースされたときにその多機能ぶりは話題となったが、正直、ウェアラブルコンピュータとしての多様性と利便性、なによりヒューマンライフとの親密性をここまでアップグレードさせるとは、この頃に想像できただろうか。
実際、2021年に遅まきながら購入した自分は、Apple Watchのことを知っているようでまったく知らなかったことに気付かされた。
私の健康上の不安材料である動悸(心拍数)については、ただ計測ができるだけでなく、高心拍、低心拍といった異常を一定時間計測したときは通知がなされる。
心電図を測定すれば心房細動の兆候の有無がわかる。
たとえば明け方に動悸が始まり、心拍数140近くなってしまったときに、Apple Watchで心電図を測定し、高心拍数表示は出るものの、心房細動の兆候がないことがわかるだけでも安心感につながるというものだ。
そもそも不整脈や動悸というのは発作が起きているときのリアルタイムの心電図測定が重要だという。けれどそうそう都合よくはいかない。
「Apple Watchの心電図はけっこう正確なので、気になったときに測定しておいて、紙に出力して診察のときに持ってきてください」
と言ったのは大学病院の循環器科のドクターだ。
Apple Watchで測定した心電図データはすべて記録され、PDF出力もできる。実際、そのデータを出力して持参したり、救急時にはiPhoneの画面の心電図データをそのまま見せて診断をあおいだこともある。
あるときは「安静時心拍数が上昇しています」とiPhoneに通知が出た。これもApple Watchの日々の測定によるものである。
これは、甲状腺ホルモンの分泌が若干過多になっていたことが原因だった。そういえばこのころはとくに食事を減らしてもいないのに、体重が減少気味であった。
この年になるとホルモンバランスの乱れはあれこれあるもので、甲状腺については服薬するほどではないとの診察のもと、放っておいたら自然に正常値に戻り、それにともないApple Watchの安静時心拍数の平均値も下がったのにはなかなかびっくりしたし、ちょっと感激した。
そんなこんなで漢方や鍼灸にも頼り、だんだんと謎の不調は落ち着いていき、結局は迷走神経が正常に機能しないことがトリガーになっての自律神経失調が原因では、ということになっている。
そういえば、最初の動悸の1週間前に注射を打ち、そのあと気分が悪くなってしばらく横になっていたことがあった。いわゆる迷走神経反射で、それがきっかけだったのかもしれない。
けれど、今もなお、Apple Watchとの蜜月は続いている。