ホテル側の対策は?
しかし、直前まで元気そうだった彼らが、なぜ自死を選ぶのか。ツマミ氏は続ける。
「彼らの最期のポストを見たりその言動から察するに、AさんとBさんは“ニコイチ”的な存在だった。
お互いに恋愛感情に近い想いもあって、死を選ぶ直前にそれをお互い知ったんだと思う。通じ合えたからこそ“このまま(人生を)終えよう”と思ってしまったのかな。
一般的に言われる恋愛関係のふたりなら“これから楽しい日々が始まる”と思うところ、歌舞伎町にいる彼らは、どこか危うく破滅的なところがあるんです」
亡くなる前のBさんと何回か話したことがあるというトー横キッズの少女(14歳)にも話を聞いた。
「Bちゃんはいつも死にたい、生きるのが辛いって言ってた。でも私はそういう言葉を聞くたびに“一緒に生きてこ!”と言ってた。
友達が少なくなるのはすごく寂しい。ここの友達は学校の友達とは全然違う。楽しいし、自由。
私も学校に行きたくないのにお母さんから行けと言われて死にたくなることがある。でもやっぱり、ここのみんなといつまでも楽しく話したいから死なないよう頑張ってる」
10代の「死にたさ」「生きづらさ」は大人が思う以上に身近なものなのだろう。これ以上、事故が起きないためにもホテルには対策を練ってほしいところだ。
前出の担当者に事故後の警察からの指導や事故防止の対策について聞いた。
「警察からは事故の状況をふまえ、警察官立寄所の掲示物設置と屋上侵入防止柵の設置(こちらは令和6年2月に設置済み)、さらには非常階段転落防止ネットの設置を令和6年10月上旬に予定しています。
さらに夜間帯のスタッフ増員と巡回、声がけの強化をし、挙動不審な方、未成年と思われる方に対する声がけを強化していきます。
くわえて宿泊者以外の方が侵入できないように、また、宿泊するフロアしか降りることができないよう、館内エレベーターの仕様を変更していきます」
ホテルの対策はもちろん大事だが、これ以上の不幸が起きぬよう、世の中がよくなることを願うばかりだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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