A子さんを直撃すると…

元夫の逮捕後、萩原所属のジム関係者がA子さんをさらに悩ませることになった。

翌日、A子さんも知る萩原の友人から「この件について話したい」という連絡があり、新大阪駅のカフェで会うこととなった。

2人で話すと思ったA子さんだが、そこにはジム運営関係者、選手、弁護士など6人が現れたという。

「ジムの関係者は被害届を出したA子に対し、圧をかけながらにらみつけ、終始無言で立っていた。戸惑ったA子に対して弁護士や別のジムの関係者がすぐに示談を迫ってきた。

『早くしないと報道されてしまうから』などと急かしたといいます。まったく法律に詳しくないA子は『謝罪と示談金をいただけるなら』と承諾したようです。

それですぐに、弁護士が用意した示談書にサインをすることになったのです」

ところが弁護士が用意した示談書には示談金の記載がなかったという。

A子さんが友人に送った示談書(友人提供)
A子さんが友人に送った示談書(友人提供)

「不審に思ったA子が弁護士に示談金について確認すると、『時間がないのでサインをして』と急かされたんです。

その後、示談金がA子に支払われることはなく、9月29日現在も入金がないといいます」

示談書をサインしてまもなく萩原は釈放され、在宅での捜査に切り替わった。A子さんに対しては接見禁止となり、A子さんは子どもと自宅を飛び出したとういう。

「示談金をもらうことすらできなかったA子をさらに悩ませたのは、周囲の反応でした。

示談金をもらえないならと周囲にこの事件を相談したようなのですが、萩原自身が『逮捕なんて事実はない』と言い張っているのです。

その主張を信じる人が大多数で、暴力がなかったように扱われています。むしろA子は嘘つき呼ばわりまでされている…。私はそれが許せなくて今回お話しさせて頂きました」

A子さんと弁護士のLINE(友人提供)
A子さんと弁護士のLINE(友人提供)

A子さんからこの知人に送られてきた画像には、弁護士とのやり取りなどが残されていた。

A子さんに取材を申し込み、萩原からのDVや逮捕、ジムから示談を急がされたことは事実かを尋ねると、A子さんは「ハイ」と認めたが、「仕返しが怖いし、もう関わりたくないので…」と多くを語らなかった。

一方の萩原や所属ジム、RIZINはどう答えるか。

集英社オンラインは8月上旬に萩原の所属事務所やジム、弁護士に質問状を送ったが、「答える必要性はありますか?(ジムの社長にも萩原にも)繋ぎません」(電話に出たジムスタッフ)と取り次いでくれなかった。

マネージャーにはLINEでメッセージを送ったが、既読はつくものの返信はなかった。弁護士は「守秘義務があるのでお答えできないです」と回答した。

RIZINは「我々が確認している事実とまったく違いますので回答いたしかねます」とこたえた。それに対し、「萩原からはどのような説明を受けたのか?」と聞いたが詳細を語ることはなかった。

「実は、萩原はRIZINの運営に対し、示談で釈放されたということを説明していなかった。報道もなかったため、うやむやにしたかったのでしょう」(RIZIN関係者)

さらに、萩原の関係者は逮捕、離婚、示談について認めたもの「本人にも言い分があります。本人への取材はして頂けますか?」と話していた。

編集部は1ヶ月以上にわたり返信を待ったが萩原から連絡がくることはなかった。

試合では負けが続く萩原だが、妻に謝罪し約束を守ることはあるのだろうか――。

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取材・文/集英社オンラインニュース班