渥美容疑者を信じ「不起訴になるかもしれない」と語った義父

介護施設に勤めていた野本さんは昨年6月7日夜に自宅を出てから行方不明になり、約半年後に見つかった遺体は一部白骨化するなど司法解剖でも死因を特定できなかった。しかし、野本さん失踪時に渥美容疑者が中古車販売店から借りていた車の後部座席から大量の血痕が見つかり、DNA鑑定の結果、野本さんの血液と一致。

当初「血痕は仲間とケンカしたした際に出たもの」などとしていた渥美容疑者の説明が虚偽とわかり、警視庁が追及したところ「野本さんを刺した」などと殺害をほのめかす供述を始めた。

渥美容疑者は既婚者ながら、昨年春ごろから野本さんと交際を始めたがトラブルに発展、車内で殺害した後に山梨県まで運んで死体を遺棄したとみられる。

工具を手にする渥美容疑者(本人SNSより)
工具を手にする渥美容疑者(本人SNSより)
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渥美容疑者は祖父が興した水道工事業を引き継ぎ、2018年に新たに会社を設立したが、工事代金の持ち逃げを繰り返すなどした挙句、共同経営者らを裏切って翌年に姿を消した。そんな過去を隠して飲食店で知り合った男性の養女Aさんと恋仲になり、結婚したもののDVを繰り返し、Aさんは出身地の九州に戻っていった。

Aさんの義父はそれでも渥美容疑者をかわいがり、昨年12月に死体遺棄容疑で逮捕されてからも面倒を見ていた。義父は接見禁止が解除されれば面会に行くつもりだと語り、殺人に関しては終始懐疑的な見方をしていたが、今回の再逮捕はその義父の温情に冷水を浴びせかけるような仕打ちとなった。義父は死体遺棄事件判明後しばらく続いた報道内容に納得がいかない様子で、当時の取材にこう語っていた。

「報道がひどすぎるよね。途中でカットされて、いい面を切られていたり、なんかすべてが本人を悪いように悪いようにされているし。はっきり言ってさ、まだ殺人(事件と決まったわけ)じゃない。だったらさ、人の車で勝手に死んだのかもしれない」

車内から検出された野本さんの血痕について、渥美容疑者は「仲間とケンカした」と虚偽の供述をしたことが明らかになっていたが、それについてもこう語った。

「仲間とケンカしたってのは嘘だと思うんですけど。それは思います。でも、これからどういう風になるかはわからないし、不起訴になるかもしれないし、そこんとこはなんとも言えませんわな。面会は今んとこ接見禁止がついてるからできないけど、接見禁止がとれたらもちろん会いにいきます。なんて声をかけるかと聞かれても……。なんとも言えないね。自分としては一度結んだ縁なんで可愛い面があるんですよ」

渥美容疑者(知人提供)
渥美容疑者(知人提供)

義父は事件後、渥美容疑者と同居していた妹にも会ったという。

「1週間から10日くらい前に会いました。僕のところに車の(横領で渥美容疑者が逮捕された件)ときに担当していた遼馬の弁護士が『本人は目が悪いから家にメガネがあるから差し入れしてほしい』と連絡をしてきたんです。それを妹に伝えに行くと、『ご迷惑おかけしました、ごめんなさい』と言ってました。妹には事件の話は何もしていません。結局家にメガネはなくてコンタクトを弁護士に送ったんですけどね。弁護士には遼馬が元気かなど様子は尋ねてません」