「高校生が私のところに来て、手紙をいただいたんです」
斎藤知事は9月29日までに県議会を解散するか辞職しなければ30日付で自動失職することに。
議会を解散しても、出直し県議選後の議会から退場を突きつけられることは必至で、知事で居続けたい斎藤氏には解散の選択肢はないとみられていた。
一方、辞職すれば責任を認めた形になる上に、出直し選で当選しても任期は来年7月末に切れてしまう。
しかし、失職なら新たな任期は4年が保証される。知事が失職と出直し知事選を選ぶとの見方は強かった。(♯21)
斎藤氏は予想通り、26日の午前中に県議会の各会派に電話をかけて出直し選に出馬すると通告し、午後に記者会見を開いた。
19日に不信任決議案が可決された直後から方針を明かしてこなかった斎藤氏はこの会見で「解散は私の中には最初からなかった」「元々辞職という選択肢はなかった」と語り、最初から失職するつもりだったと言い始めた。
ではこの間何を悩んできたのかと聞かれた知事は「(悩んできたのは)出直し(選挙)に出さしていただくか、そこが大きなところでした」と言い切ったのだ。
そして、出馬を決断した理由を聞かれると「昨日(25日)の朝、高校生が私のところに来て手紙をいただいたんです。
部屋で読むと『辞めないでほしい』『(批判に)屈しないで未来のためにがんばってほしい』と書いてありました。グッときました。こんな自分でも期待してくれる人がいるんだと」と答え、その日のうちに決断したと説明した。
この言い分を真に受けるかどうかは別にして、斎藤氏の頭には知事職を手放す考えはゼロだったことが明らかになった。