元TOKIO・山口達也の映像をカットすることに
「6年ほど前、私は元TOKIO・山口達也さんの出演部分をカット編集する仕事をしたことがあります。山口さんの不祥事後、テレビ局の人が会社にやってきて、『ちょっと映してはいけないので……』と気まずそうにしていたのが印象的でしたね。
出演者のカット作業ですが、大まかに3つの方法を駆使しました。一つ目は一番シンプル、映っていない映像を使うこと。テレビの収録は複数のカメラで様々なアングルから撮影していますよね。編集ではそれら、ときには10個以上もの映像を同時に再生して見ながら、使うカットを選んでいきます。
そこでまず、山口さんが映っていない映像素材を探していきました。一人ではチェック漏れが起こるので、私の作業する後ろにはテレビ局の人も在中し、一緒に映像を見て、『あ、ここ映っちゃってます!』とか指摘をしあいながら作業をしていました」(元映像制作職・Sさん、以下同)
今回、ネット上では、“フワちゃんが映っているシーンはないのか?”と探すムーブメントが起こり、出演者の有吉も自身のラジオで番組を振り返り、「“フワちゃんを探せ”ということで」「フワちゃんを探したら100万円っていう」と、そのことをイジッていた。だが、誰よりも先に“フワちゃんを探せ”をしていたのは、この映像の編集を担当した人だったはずだ。
「2つ目の消し方は、画角を調整したり、映像をズームして、カットしたい出演者を画面外に追いやる方法です。これもこうしたケースでは多用されますが、やはり映像的に不自然になってしまうことが多い。特にズームをすると画質が荒くなるので、編集者のプライドとしては、あまり多用したくないですね」
今回の『有吉の夏休み』では、やたらと出演者の寄りのシーンが多かったため、この手法が多用されていたと予想される。視聴者からは〈急に不自然なアップになったり画質が荒くなったりするのおもろい〉なんて声があがっていた。
Sさんはこれについて、「ロケ番組など出演者が動き回る映像から、特定の人物が映っていない素材を見つけることは難しい。ズームを多用するのは仕方ないことです」とフォローする。