テストで「ザビエル」と書いたら不正解?
「シャヴィエル」表記の問題について気になるのは、全国の教科書が「シャヴィエル」に変更された場合、テストで「ザビエル」と書いたら不正解になるのかどうか、という点だ。これについては、東京都の公立中学校教諭が次のように見解を述べた。
「歴史上の人物名に関しては、仮に改訂前の教科書に記載されていた名前をテストで書いたとしても、マルにすることになると思います。テストで確認するのは、あくまでも正しい知識を持っているかどうか。改訂前の名前を書いたからといって、間違いにはならないと考えます」(30代・女性・東京都公立中学校教諭)
また、「シャヴィエル」表記が一般的になった場合、ニュース番組などテレビではどのように発音するのだろうか。これについて、テレビ朝日アナウンサーを辞めたのち、『TOKYO MX NEWS』のキャスターとしても活躍した現フリーアナウンサー・石井希和氏に聞いた。
「私がテレビ朝日にいたときは、年に1回くらい、全局のアナウンサーが集って言葉の統一表記や発音やアクセント、さらに新しく登場した言葉など、要注意の言葉についてどう伝えるか、という勉強会が行なわれていました。また、それ以外にも新しく出てきた企業名のアクセントなどは、NHKのニュース番組などをよくチェックし、それに参考にしていました。
教科書の表記が『ザビエル』ではなく『シャヴィエル』に統一されたら、いずれニュースやテレビなどで読み上げる際も、『シャヴィエル』に変わると思います。アナウンサーは“伝わる言葉で伝える”のが使命ですから、認知度が高い言語を採用していくことになるのでは」
何年後になるかわからないが、「フランシスコ・ザビエル」ではなく、「フランシスコ・シャヴィエル」という名前が全国的に使われる日が来るのかもしれない。
#2では大分の銘菓「さびえる」や歌マネ芸人「サビエル佐藤」に話を聞く。
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班