ウエルシアの3つのネガティブ要因とは? 

ウエルシアは業界トップだが、決して順風満帆な会社ではない。

懸念点は3つ。1つは足元の業績が軟調なこと。もう1つは最大のライバルであるマツキヨココカラ&カンパニーに収益面で劣ること。そして、安さを武器にしたコスモス薬品がウエルシア地盤の関東エリアで勢力を伸ばしていることだ。

ウエルシアの2024年2月期の売上高は前期比6.4%増の1兆2173億円、営業利益は同5.3%減の432億円だった。マスクや検査キットなど、コロナ関連のグッズの反動減を受けて減益だったと説明していた。

※決算短信より筆者作成
決算短信より筆者作成

同社の深刻さが露呈したのは、2025年2月期第1四半期だ。営業利益が前年同期間比で25.5%減の54億円となったのである。大幅な営業減益だった。タバコの取り扱いを終了したことで、物販販売に影響が出た。

こうした状況の中で、ウエルシアは2025年2月期上半期の営業利益を、前年同期間比7.9%増の267億円と予想している。第1四半期の数字は、予想の到達を揺るがしかねないものだ。さらに競合のマツキヨココカラとは、収益性で大きな差をつけられている。ウエルシアの直近通期営業利益率は3.6%、マツキヨココカラは7.4%だ。

ウエルシアは郊外型の店舗に強みがあるため、総利益率が40%近い調剤部門を強化し、食品(総利益率約20%)や雑貨(同30%)をフックに集客するというビジネスモデルだ。一方、マツキヨココカラは都市型がメイン。医薬品(同40%)と化粧品(同35%)が中心となっているために利益率が高いのだ。