予選は3戦全勝! パリ五輪世代は“歴代最強の五輪チーム”へ? 

「今回の世代は、アンダー世代で15歳から、もしかしたら12歳ぐらいからずっと一緒にプレーしてきているメンバーで、このパリ五輪が集大成の舞台になりました。そのため、団結力が特に強いのが特徴です。

もちろん、団結力だけではなく、海外でプレーしている選手が増えているのも大きい。これまではJリーグでプレーする選手を中心とした構成でしたが、この世代はベルギーやオランダリーグなどで試合に出続け、海外の選手と戦うことがスタンダードになっています。

OAは海外の選手と戦うときに必要とされる経験値を補ってくれる面もありましたが、この世代ではそこがそれほど必要ないんですね」(橋本氏、以下同)

パリ五輪代表の主将を務める藤田譲瑠チマ 写真/JMPA
 
パリ五輪代表の主将を務める藤田譲瑠チマ 写真/JMPA
 

OAをあえて使わず、長年育んできたチームの団結力を優先した結果が、今回のグループリーグ3戦全勝に結びついていると橋本氏はみる。また、OAだけでなく、久保や鈴木といった本来この世代の中心選手が不在であることも、ある意味でいい方向に動いたとも。

「今回のメンバーは、間違いなく久保選手や鈴木選手へのライバル心をもっていると思います。要は競争してるんですよね。

これからこの世代の選手がA代表を目指すとなると、やはりオリンピックで好パフォーマンスを見せないと、その道が開かない。予選リーグの結果は、団結力と競争心がうまくハマったという印象があります」

このまま56年ぶりのメダル獲得への期待も高まる今回のU-23日本代表。SNS上では予選3戦全勝を受けて、〈男子サッカー強い 風格を感じる〉〈普通に優勝あるわこれ〉〈これ最強説あるだろ〉〈今回のサッカー男子代表ひょっとして歴代最強チーム?〉など、ついには歴代最強説まであがりはじめた。

ただ、橋本氏はこの説について、前回の東京五輪代表やシドニー五輪代表のほうが強かったのではないかと指摘する。また、橋本氏の世代は、小野伸二、稲本潤一、遠藤保仁、小笠原満男、中田浩二、高原直泰など日本サッカーのレジェンド選手がそろい、“黄金世代”とも呼ばれた。

「歴代最強は僕らの世代か東京五輪の世代か、どちらか選びきれませんが、とにかく前回の東京五輪のチームのほうが強かったことは確かです。OAを使ってはいますが、今回のチームの上をいっているんじゃないですかね。

予選で3戦全勝したから“歴代最強”と言われるのは時期尚早で、たとえばマリ代表と再戦すると負ける可能性もあると思いますし、2勝1敗だったらそんな言い方はされないのかなと」